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Sun 08 May 2011

2011 J1 第10節 C大阪1vs1仙台 負けたくないチームは負けない。

前半30分 太田 吉彰(仙台)
後半45分+4 小松 塁(C大阪)


負けなかった、それだけがよかった。仙台の選手は試合が終わった瞬間精も根も尽きはてて、みなピッチにへたりこんでいたけれど、セレッソの選手は殆どが立ったまま、淡々と試合後の審判との握手やスタンドへの挨拶に来ていた。すべての試合でぶっ壊れてしまうまで頑張れとは言わないけれど、精一杯向かってくる相手を倒すためには、やはりこちらも精一杯でなければ無理なんじゃないだろうか?仙台戦にかけるセレッソの意気込みがその程度だったとするならば、それは仙台に対しても失礼ではないだろうか?そんな考えが、頭の中をグルグル回っている。
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宮城県を応援するTシャツを来て入場



スタメンとベンチ、上本が帰ってきたと思えば藤本が怪我。ボギョンが3シャドーの位置に入って、倉田はベンチスタート。ピッチ上だけ見ればベストに近いメンバーが組めたが、層の薄さが気になる。

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序盤、セレッソは中盤では優位に立っていた。パスもそれなりに回せていたし、危なっかしいところも比較的少なかった。ただシュートの意識が低く、ゴールを脅かせなかった。仙台もバイタルエリアはがっちり固めていたし、マルチネスがボールを持った時はどんなに後ろであっても必ずプレッシャーをかけていたので、このあたりは計算通りにやられていたのかも知れない。奪われると前の関口、梁、太田あたりがしっかりボールを保持するので守備陣は煩わしい仕事に奔走することになった。
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ヨンギは敵にすると、本当に厄介


ただセレッソサポーターとすれば、時折チームから見られる気の緩みのようなものには腹立たしい感覚を持った。ボール際の激しさは比べようが無く、インドネシアから強行軍であったとしても、もう少し何かできたのではと思う。

特に不調だったのは、一番しっかりしてほしい乾だった。いつもは何気なくできているはずのトラップさえ失敗してしまうので、ボールを収めてほしいところで奪われ、カウンターになるところが何度も。また中後は新潟戦と同様に、ふっと気が抜けてプレーが止まってしまう。ボランチというポジションが仕事を止めてしまえばどういうことになるか…。

失点を食らった場面でも「ここさえしっかりしていれば」というポイントを二つ三つ突破されている。セルフジャッジでプレーが止まり、中に簡単に折り返され、気持ちを立て直す前にゴールを決められていたのだから、辛い。前半は本当に褒められる要素が1つもない、欲求不満になる45分間だった。
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清武は波のないプレーで奮闘してくれたが…


レヴィーも同じく不満であったようで、後半アタマからカードを切った。中後に代えて倉田。ボギョンを1列下げて攻撃的な色合いを強く出す。

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後半開始時


それでも「笛吹けど踊らず」が今のセレッソで、乾がポスト直撃のミドルを放った以外はまるでいいところがない。ガチガチに守られたところにボールを持って突っ込んでいって、どれだけ成功するのか。カウンターは茂庭とキム・ジンヒョンが何とか防いでくれていたけれど、あれでは守る人間は浮かばれない。キム・ボギョンのボランチもイマイチ機能せず、倉田も空回りが目立った。チームの歯車が噛み合わないまま、時間だけが過ぎていった。


大鉈が振るわれたのは後半26分。チームの柱であるピンパォン、乾のラインをゴッソリ摘出する。フィジカルに長けた永井と小松を入れて、4-2-2-2にシフトチェンジ。長いボールを放りこんで、僅かの可能性にかける。
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ここまで来ると両軍疲労の色濃く、クリエイティブなプレーだとか、チームとしての連携なんかよりも、勝ちたいという欲求や、一つのボールを追う気迫のようなモノが大事になってくる。そして残念ながら、今の仙台にはそうした精神的なタフネスがあり、セレッソには無かった。
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いいシュートも林が弾く

正直に言えば、この試合は負け戦だった、勝ち点を拾えたのは幸運以外の何物でもない。もちろんチームはその幸運を呼び込むための努力をしたけれど、そんなものに賭ける前にするべき所作を省いていた。言うならテストの前日だけ一夜漬けの勉強をして、運良くテストにその箇所が出て、それで欠点をまぬがれたようなものだ。キンチョウスタジアムにいる神様が、ほんの少しいたずらをしてくれただけだと考えたほうがいい。小松、永井といったベンチスタートが続いている選手の、その鬱憤のようなものが見えたのだけは救いではあるけれど…。
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こんな場当たりが何度も続くはずはない。アウェー浦和戦、選手個々人の意識が変わらなければ、ただカードだけを貰って帰ることになるだろう。ACLなど中二日でやってくる、危機意識がチームに流れていることを願う。
posted by 西中島南方 at 02:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Tue 03 May 2011

ACL#5 Arema Indonesia 0vs4 Cerezo Osaka

Hiroshi Kiyotake(Cerezo Osaka) 30'
Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 43'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 46'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 60'




ACL予選リーグ6試合の中で、この試合が一番読みにくかった。気候、ピッチコンディション、アウェーのハンデがどれだけあるのか、アレマの実力がどれほどか、全くわからなかった。考えられる中でほぼ最良の結果になったことに関してはホッとしている。今はまだ山東-全北の試合が始まっていないので何とも言えないが、どんな結果になっても、次の試合、ホーム山東戦で勝てば、文句なしでグループリーグ突破が決まる。


スターティングラインナップは新潟戦と変わらず。キム・ボギョンはケガのため、上本は累積警告のためにメンバーから外れている。

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今でこそ余裕を持って語れるが、前半先取点を奪うまでは完全なアレマペースだった。中央をガチガチに固めて、奪ったボールは少ない手数でサイドに流れた前線に。シンプルでさしたる工夫もない攻撃だが、蒸し暑くピッチコンディションの悪いインドネシアでは無駄な体力を使わないカウンター攻撃はそれなりに機能していた。セレッソが手数足数をかけ、人数も使って中央突破を仕掛けていたので、両サイドバックのウラのスペースはガラガラ。さぞやりやすかったろう。

幸いだったのは、アレマのプレーヤーがそれほどの力量を持っていなかったことと、この時点でACLからの敗退が決定していたことだろう。フイニッシュは雑としか言えない程で、きわどいシュートは殆ど無かった。


アレマ攻略の橋頭堡になったのは、乾、ピンパォンのコンビプレーだったと記憶している。ピンパォンがトップの位置からグッと下がってくると、釣瓶の動きで乾がラインの裏に飛び出す。この守備ラインに対するアタックが効果的で、アレマDFラインがJのチームに比べてオフサイドトラップの技術が格段に劣ることがわかった。3シャドーの誰かがウラを突けば、敵は捉えきれない、逆に怖がって下がればピンパォンがボールを持つ時間と空間が生まれる。乾、倉田、清武のラインで先制点を奪えば、流れは完全にセレッソになった。アレマは前4人を捕まえきれずに混乱し続けていた。

セレッソからすれば、得点を決めてほしい、いい気分でプレーしてほしいプレーヤーがしっかりと結果を残したことが大きい。1点目はくすぶっていた清武のうまい抜け出し、2点目は今まで自分の形を作れなかったピンパォンが独特のリズムで飛び出してのゴール、これでチーム全体に鬱積していた重たい空気が霧散した。


後半になって、相手GKがKurnia Meiga HermansyahからAchmad Risky Kurniawan(長居にいたGKだ!)に代わっても、圧倒的優位は変わらず。開始早々35秒で丸橋の突破から乾の力み無いボレーで出鼻を挫き、ラストは足が止まったところを中央突破で再び乾。日本の放送局は得失点差を気にしていたが、いい形、いいイメージをメンバーが共有できたのはそれなりに収穫だった。

レヴィーも同じ思いだったのだろうか。3枚の選手交代カードはすべて守備陣のために切った。
後半16分には時節山東戦出場停止が決まってしまったマルチネスを下げて上り調子の山口を入れ、続けて17分に疲労が心配される茂庭に代わって若手扇原を投入した。

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後半16分


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後半17分


戦意が失われたアレマ相手で扇原はタイトなプレーが殆ど無かったが、実戦経験をこの悪環境の中でつめたことは意味がある。山口螢は世代別代表で海外でのプレー経験があるからか、素直にゲームの流れに溶けこみ、散発的に発生したアレマの攻撃の芽を丁寧に摘み取っていた。攻撃陣も積極的に相手ボールホルダーにチョッカイをかけていたのでパス精度は低く、90分を通してピンチらしいピンチは一度きり、それもGKキム・ジンヒョンが難なく正面で防いだ。

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後半27分


この試合で惜しかったのはマルチネスが食らったカード1枚程度、今年一番、ほぼパーフェクトな試合だった。


さて、これでACLに関しては最終節まで分からなくなった、ホームゲームであることを考えれば山東よりわずかにアドバンテージがあるとも言える。こちらは少し置いておこう。

問題は直近のリーグ戦、ホーム仙台戦だ。間違いなく、今最も当たりたくないチーム。どこがいい、どこが怖いというものではなく、気持ちの勝負で負けてしまうのがそもそもの問題なのだ。それをどう克服すればいいのか?キンチョウスタジアムの不敗神話をここで途切れさせるわけにはいかないのだ。チームとして機能し始めた1トップ3シャドーがどれだけこの勢いを持続できるかがポイントだろう。
posted by 西中島南方 at 21:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Fri 29 Apr 2011

2011 J1 第8節 C大阪1vs1新潟 組違えたパズル。

前半3分 ブルーノ ロペス(新潟)
前半42分 乾 貴士(C大阪)



個々の力量が去年に比べてダウンしているように感じる。それも気になるところだけれど、それ以上に気になっているのは、各人が適所に配されていないような「違和感」。今のメンバーでももっといい戦い方ができるはず、それができないまま試合を消化している現状が歯がゆい。
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スターティングラインナップに怪我の上本、キム・ボギョンの名前がない。CBのスターターは藤本。3シャドーは右から清武、倉田、乾。ベンチには扇原、山口の名前がある。

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失点はまだ体も温まっていない前半3分。新潟は前半高い位置でプレスをかけていて、チームとしての一体感があった。セレッソはベストメンバーではなかったことを考えても、チームとしての繋がりに欠けていて、迂闊だったとしか言いようがない。どうしても受身になってしまって、中後のミスをカバーしきれなかった。
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今日は精細を欠いた中後


中後は決して悪いプレーヤーではない。右足の精度は素晴らしいものがあるし、展開力もボランチとしては平均以上のものを持っている。ただし今のアンカーの位置にいるとどうしても悪い意味での軽さが見え隠れしてしまって、評価が下がってしまう。本来なら今マルチネスがしている仕事を担う選手で、これが残念。

1トップの位置にいるピンパォンにしても、キープ力があるわけでもないし、一人で何かを済ましてしまうようなタイプでもない。誰か(特に乾)が近くにいる時に見せる一瞬のひらめきこそが、彼の持ち味。

11人いるプレイヤーのうち一人でも適材適所ではない者がいれば、チーム力などとたんに下がってしまう。それが二人いて、どうして試合をコントロールできるだろうか。前半の最初、開始30分までは、新潟が完全に試合をコントロールしていた。セレッソはキム・ジンヒョンと茂庭を中心にひたすら耐える。
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茂庭がいなければ試合の結果は違っていたかも…


そういうわけなのでセレッソの同点シーンを、驚きを持って見ていた。ピンパォンが下がっていてフリーなスペースでボールを受けていた、近くには唯一コンビネーションプレーができるチームメイトの乾がいた、この二つの事象が重なって、乾の素晴らしいゴールが生まれた。これは記録上は乾のゴールであるけれど、ピンパォンの良い面があったればこそのゴールだ。こんなシーンがもっと多く観たいし、観られるはずなのだけれど。
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乾は清武とも親和性が高いので、この3人が中央でうまく繋がれば相手守備がセンターに寄ってサイドにスペースが生まれる、そうして初めて高橋大輔や丸橋の上がりが効果的になる、それが今のセレッソのベストな形。同点になってからは、一気に巻き返すとは言わないまでも、五分の戦いができていた。双方に決定機があり、天を仰いだり肝を冷やしたりと、サポーターとしては忙しい試合になった。



後半になると新潟の運動量が少しずつ落ちてきた。去年のセレッソであればここで一気呵成に攻め立てていただろうが、今の状態では前のめりになってバランスが悪い。ボールが取られた時点で中盤だけでなく両サイドバックも上がっている時が多く、支配率の割に危ないシーンが多かった。キム・ジンヒョンのスーパーセーブが無ければ2点は取られていただろうし、茂庭の超人的な粘りがなければそれ以上悪い結果になっていたかもしれない。

対するセレッソは乾と清武にボールが収まれば、何とか攻めの形が見えてきた。
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乾はこれまでキム・ボギョンや倉田らとシャドーを組んでいたが、清武とが一番やりやすそうだ。やはり昨年から同じチームでプレーしているというアドバンテージがあるのだろう。清武が味方を生かし、自分も生きる献身的なプレーヤーだということも大きいかも知れない。


キンチョウスタジアムがさらに熱を帯びたのは後半21分の交代があってから。倉田、高橋大輔が下がり、小松、酒本が入る。酒本はそのまま右サイドバックに、小松はピンパォンと2トップを組み、4-2-2-2にシステム変更する。
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後半21分


今日の小松は実によかった、独特のストライドでのドリブルで足が止まった新潟守備を切り崩す。右サイドからいい崩しが2度あったと記憶している。トップの小松が相手を引きつけるので乾、清武に対するプレスが緩んで流れがスムーズになった。取られた時のバランスの悪さは相変わらずだったが、前半感じた窮屈さは霧散していた。


後半40分からはスタミナ切れの中後に代えて山口螢登場。

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後半40分


今日の螢はいままで観た中でベストのクオリティだった。選手間のスペースが空いていてタスクがシンプルになったことを差し引いても、よく動けていたし、効いていた。あと5分、10分早く投入されていればと一瞬感じたけれども、清武が足をつるなどメンバー全員が厳しいコンディションであったことを考えれば、妥当なカードの切り方だったかもしれない。結局このままタイムアップ。



90分を俯瞰で見てみれば、失点につながった前半のミスが大きかった。ただ新潟という強いチームを相手に、いい時間で追いつき、イニシアチブを取り返したのは収穫だった。やはりキンチョウスタジアムはいいホームスタジアムだ。リーグ戦の次の相手は今最も組し難い仙台、間にACL、アレマとのアウェーマッチを挟むのも厳しいが、そこを何とかするのが、ホームの力、サポーターの力だと思う。次こそ勝利を、共に喜びを分かち合えるように。
posted by 西中島南方 at 22:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sun 24 Apr 2011

2011 J1 第7節 山形0vs0C大阪 生かせなかったアドバンテージ。

得点者なし


サポーター10人に聞けば10人が「勝てた」と悔やむような試合。後半度々あった決定機を決めきれなかったのが痛い。選手交代にも少し不満。


スターティングラインナップから股関節を痛めた上本が外れている。先発に藤本、控えCBには2年目の扇谷。清武、マルチネスが先発に入り、倉田がベンチ。キム・ボギョンはボランチからシャドーにポジションを上げている。

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前半からボールポゼッションはセレッソだった。中後、マルチネスの関係が少し良化して前後の役割がはっきりしてきたことと、ここまで重ねてきた試合勘、実戦での経験値、個の力の差で山形を上回っていた。

ただボランチからトップ、シャドーからトップへの流れがよくない。この位置でのボギョンにあまり魅力を感じないし、ピンパォンはそもそもボールタッチ数が異様に少ない(受ける前段階で問題があるのかもしれない)清武は運動量が多く前にボールを運ぶ推進力としては素晴らしいのだがフィニッシュの精度が厳しく、乾が孤軍奮闘という印象。ピンパォンがボックス内でターンを決めたもののシュートは枠外、乾もクイックなターンからドリブル、ミドルを見せたが、決定機はその2度程で、後はボールを持ちながら「攻めきる」形が作れなかった。

1トップ3シャドーは相手に対して圧倒的な運動量を持って攻撃し、相手守備陣を疲弊させるのが大前提なのだが、それができていない。ピンパォンは生で見る限りボールを持つまでよりも持った後に特徴があるプレイヤーなので、そもそも人選がミスマッチのように感じる。今のシステムでトップができるのは永井くらいか?シュート数は山形が1、セレッソが3、いかにもどかしい流れだったか!

こちらは火曜日の韓国遠征から中3日、対する山形は中断期間が長く体力に余裕がある。それを考えると前半先制してアドバンテージをとれなかったのは非常に痛かった。レヴィーと山形小林監督を比べてもベンチワークの上手さに関しては小林監督に分がある。後半の苦戦が予想された。


ところが山形は後半になっても前に出てこない。運動量を考えても物足りないもので、少しずつ選手間のスペースが空きはじめ、乾、清武がドリブルするスペース、ピンパォンがボールをコントロールする時間が生まれた。バイタルエリアでこの3人が絡み、最後はフリーの清武がインサイドキックもジャストミートせず。この後もセレッソの猛攻が続くが、あと一歩、フィニッシュが決まらない。


業を煮やしたレヴィーは早めの選手交代。後半18分に清武とボギョンを下げて倉田、永井を投入、システムも4-2-2-2に変更してトップのポイントを増やす。

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倉田の投入は正解だった、ゴールに対する貪欲さがプレーに出ていて、チャンスの数が格段に増えた。右サイドを崩して一度、中央突破から一度、後は倉田自身が決めるだけというシーンが生まれたが、これをどちらも山形GK植草に阻まれ、均衡を崩せない。永井はトップとして下がらないことを要求されたのかトップにはったままで、ボールタッチ自体が少なかった。

山形もここが勝負所と伊東、廣瀬、古橋と攻めのカードを切ってきたが、数少ないピンチも茂庭がうまくカバーして流れを断ち切る。流れは完全にセレッソだった。

後は決めるだけ、本当に決めるだけだったのに、決まらない。マルチネスのミドルはジャストミートしたものの風に煽られたか枠外、あと少しのところで勝ち点3が得られない。


最後の交代はロスタイム間際の後半44分で、乾から小松。パワープレーではなく運動量で相手を崩す姿勢を変えなかった。

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後半44分


ここまでくると精神力勝負、勝ちたいという気持ちがどれだけ強いか。小松は短い時間でそれを見せようと頑張ってくれたが、グラウンダーのクロスをプッシュしたゴールはオフサイドの判定。悔しさの残るスコアレスドローだった。


リーグ戦は始まってからわずか2試合だが、ACLで4試合、練習試合も何度かある中で、攻撃陣にいいパターン、連携が見られないのが不安要素として残っている。倉田、清武、乾は運動量があるもののフィニッシュに難があり、ボギョン、ピンパォンはアクション自体が少ないので一瞬の上手さを披露できるシーンが限られている。誰もプレーヤーとして不満があるわけではないけれど、組み合わせには一考の余地があるだろう。次の新潟戦は遅れに遅れたホーム開幕戦、キンチョウスタジアムで無様な試合を見せないように、課題を乗り越えていってほしい。
posted by 西中島南方 at 16:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Wed 06 Apr 2011

ACL#3 Cerezo Osaka 1vs0 Jeonbuk Motors

Takashi Inui (Cerezo Osaka) 53'


震災後初の国内公式戦を勝利で飾ることができた、日本の代表として、仙台や、鹿島や、水戸のいるJの代表として戦って、不恰好ながらも結果を残せた、それが何より。ホーム長居でだらしない試合はできない。


スターティングラインナップはこちら。マルチネスはケガの影響かメンバーから外れている。ダブルボランチはボギョンと中後。清武が3シャドーの位置に戻り、ベンチでは村田の名前が。

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Start Half


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試合前の黙祷。両チーム喪章をつけてのプレー


一番の注目は中盤だった。ボランチの安定感はどうか、3シャドーのコンビネーションは合うのか。
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ボギョンのフィジカルはボランチでも生きる


結果から言うと、中盤の構成力は今までで一番よかった。セレッソの3シャドーは特殊な役割をになっている。攻撃でのセンスはもちろん、ボランチでカットしたボールを一気に相手陣内まで動かす起点としての働きがなければいけないのだ。倉田、ボギョン、乾だと攻撃的ではあるもののボランチとのマッチチングが悪く、パスの交換が雑だった(もちろんシャドーだけの問題ではなかったけれど)清武、乾、倉田という組み合わせになって、守備から攻撃に切り替わる際、清武、倉田がもらう動き、一段下がって前線に戻る動きを多用したことで、この問題がかなり改善された。ボギョンが体幹の強さを生かした守備でボランチとしての可能性を見せたことも含めて、セレッソにとって価値のある試合になった。
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さりとて相手も韓国Kリーグの強豪であり、前半は細かなパスワークとスピードの前に翻弄されることが複数回あった。相変わらずボールロストの位置が不味く、守備の組織を作る前にフィニッシュまで持って行かれていた。ここを何とかすればJリーグ再開に向けて戦える素地が出来上がるのだけれど、難しいのか?
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セレッソにとって幸運だったのは、全北現代が国内リーグを行ってから大阪に乗り込んできていたこと。やはり地の利はあったし、後半に入ると全北現代のプレーヤー達の足があからさまに止まりはじめた。3シャドーのスピードとパスワークが生きるシチュエーション。


この試合唯一の得点は、前半眠っていたエースの一撃。相手守備を鋭いパスワークで崩して、最後は乾。チャリティーマッチ、代表戦を含めて5試合目で初のゴールは値千金。
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セレッソサポーターならこの後の乾がどのようなプレーをしたかおよそ想像がつくだろう。上手さ、いい意味での軽さ、意外性、驚きのある動きで、攻撃を牽引。今までになかった、心躍る攻撃を演出する。


しかし全北現代もしぶとい。足が止まった後は9番ジョン・ソンフンと元セレッソのロブレクをターゲットにロングボールで守備陣の心身からスタミナを奪っていく。セレッソも集中力を切らせる場面があり、これは反省材料。また韓国、中国のチームはご多分にもれずフィジカル勝負になると露骨に汚いプレーをする。何度も体を削られ、選手が倒れこむ。
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審判も試合をコントロールするのに四苦八苦


この捨て身の攻撃で、少なくとも三度、決定機を作られている。その内の一度はフィールドプレイヤー(高橋?)が決死のブロック、一度はジンヒョンが気迫あふれるビックセーブでゴールラインを割らせず、至近からのヘディングシュートは相手のミスに助けられる。
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試合終盤には時間稼ぎと運動量維持のためにカードを切っていく。小松と村田がピッチ上に。

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89 min


京都とのチャリティーマッチの時にも感じたが、右の攻撃的な位置に入った村田のスピードは特筆すべきものがある。とにかく思い切りが良く、スピードがあるので相手DFが一枚いてもかならず相手陣内深くまでボールを持っていける。このまま成長を続ければ、数年後には背番号8が待っているかとすら思える。ストイックさ、規格外のフィジカル、このまま経験を積んでいけば…。
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90+3min


反省材料もまだたくさんあるが、まず結果がついてきたこと、そして今までの試合から確実に進歩してきたことは評価できる。あと少しで、今年のベストの布陣、タクティクスが完成する。そうすれば、長らくセレッソを覆っていた閉塞感ともさよならだ。
posted by 西中島南方 at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Wed 30 Mar 2011

東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ 日本代表2VS1Jリーグ選抜 TEAM AS ONE 始まりの始まり。

前半15分 遠藤 保仁(日本代表)
前半19分 岡崎 慎司(日本代表)
後半37分 三浦 知良(Jリーグ TEAM AS ONE)




試合ではなくて、鎮魂の儀式とか、そういうものに近かった。サッカー選手と、サポーターと、それらを取り巻く環境が、今日本で起こっている様々な災難を鎮めるために、気持ちを一つにして戦った90分。ピッチの上に敵など一人もいなかった。不思議な時間だった。
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黙祷



陣取ったのはカテ3南スタンド。J1、J2、JFL問わず、サッカーが好きで、心を痛めていて、何かできないかと思った連中がコアになって動いてた。コールの連携なんかありはしないけど、心は一つ。
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リャン・ヨンギ、小笠原。プレーのキレは今ひとつだったけれど、彼らは想いを胸に精一杯戦ってくれた。ありがとう。


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小笠原対本田圭佑。



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小野、リャン、小笠原、本田圭佑、遠藤、FKの名手がズラリ居並ぶ。プレーが止まるたび、スタンドがフラッシュで光り輝いていた。

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先制も遠藤のそれは見事なFK。この後喪章を天に掲げる。この後前からのチェックでミスを誘って岡崎が加点、2-0に。


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セレッソからは代表に乾、J選抜に茂庭。茂庭は危ないシーンをギリギリでカットする強さをみせてくれた。オレタチの誇り。


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KAZUダンス!!TVでは映ってなかったらしいけど、この後カズが泣いてた。このゴールの重みを誰よりも知っている男だから、自然とそうなったんじゃないかな。


ズブの素人が今出来ることは本当に少ない。サポーターとしての自分ができることも、今日あったこの試合がどれほどすばらしいものであったか、意義のあるものだったかを伝えるくらいで精一杯。この気持ちが少しでも被災地で苦しまれている人たちに届いていれば、ありがたい。サッカーが少しでも復興の助力となるよう。これからも活動を継続していきたい。今日で終わりではなくて、今日が始まりなんだから。
posted by 西中島南方 at 01:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sun 27 Mar 2011

東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ 京都0VS2C大阪 届け!

後半38分 高橋大輔(C大阪)
後半43分 ピンパォン(C大阪)



この試合に関しては、勝ち負け抜きで。細かいことを言い出すと本当にキリがないので。
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マルチネス、キム・ボギョン、キム・ジンヒョン、乾、清武、山口、扇原。外国人、主力、若手がごっそり抜けたが、それでもある程度チームらしいメンツは組めるものだ。中後がマルチネスに代わって中盤の底でタクトを振るう。トップは小松、ピンパォンと2枚で、攻撃的な位置では村田が先発。

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試合開始時


90分通して両チームの決定力不足が目立ったこの試合。京都はディエゴ、ドゥトラの力が抜きん出ていて、再三セレッソ左サイドから攻め込むものの最後の最後が決めきれずにもどかしい。普通に決めきっていたらスコアが逆になっていてもおかしくなかった。

セレッソはさらに重症で、決定機の2歩手前くらいまでしか形を作れない。攻撃の際には2トップと攻撃的な位置に入ったプレーヤーがさっと前線に散ってしまい、誰もボールを受けて組み立てようとしないのでボランチの前あたりで攻めのスピードが鈍化してしまう。中後、黒木では両サイドにボールを散らすにも判断がワンテンポ遅く、京都のプレーヤーにプレスをかけられては危ない位置でボールロストを繰り返す。守備ではラインに全員が揃っていてボールホルダーに対して誰も突っかからない瞬間があり、大木監督率いる京都の細かいパスワークを寸断できないでいた。個々の頑張りとツキだけで凌いだ印象が残っている。


その中で収穫だったのは村田。
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京都が3バックで、両サイドに比較的スペースがあったことを差し引いてもいい動きをしていた。とにかく判断もプレーも思い切りが良く、速い。単純なスピードだけならシャドーとして期待されているプレーヤーの中でもトップだろう。前半の半ばになると右サイドに張り出しした村田に自然とボールが集まるようになった。少なくとも5回はサイドを破り、2度はボックス内まで侵入している。攻撃陣の連携が取れ、相手が中にも意識を配らなくてはいけなくなれば、彼の魅力はさらに引き出されるはずだ。

中後も、彼をピッチ上の王様し仕立てれば何かと役に立つ。攻撃の組み立てはまだまだではあるけれど、制度の高いキックやバランス感覚などは、マルチネスとコンビを組んでいる時よりもずっとよくうつった。何度も書くが前の選手との繋がり、これがカギになる。


他のプレーヤー、特にトップの小松、ピンパォンについてはやや不満。急造2トップではあるけれど、もう少し意識しあえば、お互いの良さがもっと出てくると思う。

ピンパォンはアドリアーノのような独力で突破したり、力技でフィニッシュにもっていく選手ではない。中盤で味方と連携をとりあいながら相手を崩し、ボックスの中に入ってから決定的な仕事をするストライカーのようだ。ならば彼に得点を量産させるためには他の選手が去年よりも守備を崩してやる必要がある。全体でゴール数を増やすにしても連携してボールを繋ぐ動きが欠かせない。それが出来ていない今はピンパォンの消えている時間帯が多い。

前述したがとにかくボールを待っている選手ばかりで、流れの中での受け渡しが殆ど無い。止まって、受けて、動く、これを繰り返すだけだから相手は守備がしやすかっただろう。前半は実入りの少ないスコアレス。


後半は上本、丸橋を下げて藤本、尾亦を投入。左サイドの守備を再構築する。

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後半開始時


守備に関しては丸橋と高橋が同時に上がった時にボールロストすると、その都度必ずピンチになっていたので、よりサイドバックとして攻守のバランスが取れる尾亦を入れたのは正しい判断。上本は今年になってプレーがより激しくなりすぎてしまって空回りの時間が増えたので、しばらくはこの形での交代が増えるだろう。藤本にとってはチャンスなので、それを生かしてくれれば。

後半になると大車輪の活躍だったディエゴ、ドゥトラが少しずつ力を失い始めた。しかしセレッソも村田がガス欠気味になり、試合自体が低調になる。真剣勝負でないにせよ、貴重な実戦なので、工夫が見たかった。

後半21分には唯一光を放っていた村田が下がり、永井投入。パワフルな突破に期待がかかったが、そこまでボールが入らないもどかしさ。

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最初の得点は試合終了も間近、中後のいいコーナーキックから高さのある高橋のヘッド。高橋以外にも高さ、上手さのある選手がもう一人いればセットプレーでの得点はもっと増えるだろう。藤本?杉本?播戸?
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これで集中力が切れた京都に、今度は流れの中からピンパォンのヘッドが決まって2点目。少し神経質なブラジリアンにとってこれが気持ちを切り替える転機になれば…。


試合自体は内容が薄い、両軍にとって厳しいものとなったが、まず我々がスタジアムに出かけて、普段どおりに応援ができる日本に一日も早く戻ること、それが一番大事なのだ。まだ東日本では困っている人、危機的な状態の中で、命の危険にさらされながら生活している人がたくさんいる。彼らも昨日のオレタチのように試合を楽しめるよう、心の底から祈る。試合後両チームサポーターが日本、仙台、鹿島、水戸、栃木に対してエールを贈り続けていた。みんなが仲間なんだ。これ以上頑張れとは言わない、オレタチが頑張るから、待っていてくれ。

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posted by 西中島南方 at 14:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sat 05 Mar 2011

2011 J1 第1節 G大阪2vs1C大阪 二人のユダ。

後半20分 アドリアーノ(G大阪)
後半28分 倉田 秋(C大阪)
後半31分 遠藤 保仁(G大阪)



ユダはキリストを裏切ったけれど、キリストはあんな感じだから、それを知った上で全てを受け入れた。でも、セレッソはキリストじゃない。とことんお人好しなチームだ。
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スターティングイレブンはACLアレマ戦と変わらず、ベンチには酒本が復帰している。

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試合開始時


去年の万博でのダービー、ガンバのしかけた猛攻に耐え切れず、足元が落ち着かないうちに2失点を喫してしまった。試合巧者相手にアドバンテージを与えてしまうと、どうしても走らされたり、じらされたりで心身ともに疲弊してしまう。

だからこの試合は立ち上がりでの失点を防ぎ、後半勝負に持ち込む去年のセレッソの勝ちパターン、これに引きずり込むことがどうしても必要だった。

この点に関して言えばチームはよく耐えた。けれど、そこから先、跳ね返す作業がどうしてもできなかった。問題は中盤の構成にあったと思う。


去年はボランチにアマラウ、マルチネス、シャドーに家長、清武、乾というメンバー。今年はアマラウ、家長が抜け、清武はベンチ。ボランチに中後、マルチネス、シャドーにキム・ボギョン、倉田、乾になっている。

シャドーに関していうと、去年よりさらに攻撃的な性格が強くなったが、キープ力や連携、パスワークの部分については(今の時点では)悪くなった。それぞれが個々に仕掛けると攻撃が散発になるし、無理に繋いで上がっていくとどこかで選手とボールが逆の方を向いてしまう。ストロングポイントだった3シャドーが今は穴になっている。

これではボールポゼッションが上がらず、守備陣の負担が増えてしまう。だからレヴィーは中後、マルチネスと、ともにパスでの展開力がある同タイプのボランチを並べているのだと推測している。今まで一列前で捌いていたボールを、今年は中盤の底でもコントロールする。意図はわかるが、まだ機能していない。アマラウのような泥臭い守備をしてくれる人間がいないのもDFラインの負担を増やしている。
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キム・ボギョンはいい選手だが、まだ連携が…。


この状態にさらに拍車をかけているのが、乾の不振だ。
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乾が好調な時は、いい意味で軽いプレー、常識にとらわれない意外性のあるプレーが光る。ただし一度歯車が狂いだすと、空回りして、結果が出ないことに焦り、どんとん自分を追い込んでしまう。香川が抜けた時、代表で限られた時間でのプレーを要求された時に、よくこんなプレーをする。今日の乾がまさにそれだった。


いくら茂庭、上本がいい選手だからといっても、たった二人で守っていてはいつかほころびが出てしまう。前半、PKを献上するまでの10分間くらいは、守って、クリアしても前に繋がらず、セカンドボールを拾われる。これの繰り返しだった。

ここで蹴るのは日本が誇るPK職人、遠藤。1点は覚悟するシチュエーションだが、ここはキム・ジンヒョンが頑張った。この流れをうまくくめていたら…。
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後半も悪い流れは変わらなかった。むしろ無駄走りを多様した分事態は悪化していたかもしれない。セレッソが昨季後半勝利を続けていた、あの頃の相手チームに近いコンディションというと分かりやすいだろうか。疲弊し、選手同士が孤立した状態。そんな時にゴールを決めていたのは、そう、彼だったな。速攻で右サイドを破られ、マイナスのクロスにマークがズレる。褐色のストライカーが、かつての味方に牙をむいた。
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さようなら。


これでセレッソもようやっと目が覚めた。本当に起きるのが遅いチームだが、その分処方箋はキツめ。中後を下げて清武、倉田をボランチに下げる荒療治。

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後半27分


この交代の直後にセレッソの今季初ゴールが生まれる。相手ゴール前で再三のクロス。マイナスのボールに反応したのはガンバにとってのユダ、ボランチの位置から駆け込んだ倉田だった。
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ようこそ!


交代とポジションチェンジはセレッソの攻撃力、ボールの流れを劇的に良化させたが、攻撃に傾倒した分のリスクも同時に生まれていた。DFラインの前ががら空きになる時間、危険なボールロストが増える。決勝点になった遠藤のゴールはそれ自体見事であったけれども、そこに至る経緯にこそ問題があったのだ。チームバランスの良い時間帯がもっと長ければ、30を超えたボランチにあそこまで上がられていたろうか。薬を投与された時間が遅すぎた。何とか同点にと播戸を送り込むが時既に遅し。

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後半38分


2-1、まだ諦める時間ではないはずだが、セレッソはもうチームとしての体を無くしてしまった。焦るあまりに強引さ、ラフさばかりが目立つようになってしまった。あまりに悲しい時間だった。ロスタイムの4分も殆ど見せ場なく、またしてもダービーで敗北を喫した。


選手にブーイングを送るサポーターを批難する人もいるが、この試合に関してはするべきだというのが私感。ゴール裏の連中はオレの何倍も労力をかけて、試合の度に頑張っている、ある意味誰よりもダービーの大事さを理解している連中だ。なのに、何年も何年も後塵を拝し続けている。オレタチは何度同じシーンを観なければいけないのだろう、どれだけ屈辱に耐えれば勝てるのだろう。その歴史を変えてほしいという願いが届いていないと感じるのは、悪いことなんだろうか。
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毎年スロースターターなのはわかっている、ガンバに相性が悪いのも認める、ただ、それでも勝たなければいけないのがダービーだ。それがダービーだ。もし贖罪の意識がチームにあるなら、勝て!
posted by 西中島南方 at 21:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Thu 03 Mar 2011

ACL#1 Cerezo Osaka 2vs1 Arema Indonesia

Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 13'
Benny Wahyudi(Arema Indonesia) 50'
Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 76'


テレビの録画を観ている。素晴らしい試合ではないけれど、これが歴史になるのだな。その最初の1ページ目になるんだなと思うと、まずはなにより勝てたことが嬉しいし、大事なんだろう。

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Start Game


連携は、御世辞にもいいとは言えない状態で、特にボランチ(マルチネス、中後)と3シャドー(乾、ボギョン、倉田)には少し不満がある。去年と比べると距離感が悪くて、カウンターを食らった時にどこかで潰す動きが少ない。攻撃でも明らかに1プレー余計で、その一歩前で打ってくれたら、というところがチラホラと。

新戦力については、結果を出したピンパォン以外の選手も個としての強さ、上手さを感じたし、その一方で弱点みたいなところも気づいた。これはダービーまでナイショ。

守備陣(ジンヒョン、茂庭、上本、高橋、丸橋)は今まで通りで安定していた。ボランチとの約束事もある程度できあがっていたようだった。マルチネスが上がると中後が気持ち下がって、センターバック二人と三角形を作っている。その間隔、呼吸みたいなものは微調整が必要だけど、時間が経てばいいバランスがとれると期待。

この連携を強化し、個としての強さを活かす流れが作られれば、ダービー、キツイとは思うけど、勝てるよ。それを信じて応援しよう。

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81 min


と、ここで特派員からの画像が来た。貼っつけといて、後はよろしく。
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posted by 西中島南方 at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sun 05 Dec 2010

J1 第34節 セレッソ大阪6VS2磐田 はじまりの日。

前半24分 アドリアーノ(C大阪)
前半29分 アドリアーノ(C大阪)

後半4分 成岡 翔(磐田)
後半9分 アドリアーノ(C大阪)
後半11分 前田 遼一(磐田)
後半14分 アドリアーノ(C大阪)
後半42分 アマラウ(C大阪)
後半45分+3 播戸 竜二(C大阪)



ずっと「もう一歩」のチームだった。カップ戦決勝、あと一つ勝てば優勝、大観衆を前にした大事な試合、そういう試合をことごとく落としてきたのがセレッソだった。それを過去形として書き留められる昨日という日に感謝したい。セレッソはやった、ずっと崩しきれなかった勝負弱い自分を乗り越えた。2010年12月4日は今年の総決算であると同時に、そんな新しい歴史の出発点でもある。

歴史を作ったメンバーを見よう。マルチネスが木曜日に右足を痛めてボランチが一つあいた、レヴィーの選択はアジア大会金メダル獲得の立役者の一人、山口螢。スターターはアマラウ、家長のダブルボランチ。好調小松をトップに入れ、4-2-2-2のボックス。

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大差のついた試合だったが、0-0の時から優勢だったというわけではない。それなりに皆硬さはあったし、慣れないシステム、ボール捌きができるマルチネスの不在はボール回しの鈍化に繋がった。乾も脱臼、捻挫を抱えたままのプレーでフィジカルコンディションが明らかに悪かった。
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接触プレーを露骨に嫌がっていた


ただ、磐田に関しても、これでいいのかと首をひねるところがあった。確かに前田は素晴らしいプレーヤーであるけれども、だからと言って全てのボールをひたすら前田に預ければいいという話では無い。もう一つどこかにポイントが作れれば選択肢の数は劇的に増えるはずなのに、それができていなかった。教科書通りに酒本の裏を突くも、予定通りなのであまり怖さは感じない。茂庭、上本が落ち着いて処理。
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酒本も必死のディフェンス


お互い決め手がないなと思っていたところに、磐田のミスがあった。クリアボールがそのままアドリアーノに。ゴール前でもたついたが乾が軽く浮き球を放って、DFラインの頭を越す。アドリアーノはワンタッチでゴール。この先制点が全て。先にゴールを奪えば負けないし、キンチョウスタジアムでも負けない。この二つのジンクスに守られるように、宴が始まった。
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乾に感謝


前田に対しては無茶なボールが入ってくるが、アドリアーノに対しては終始素晴らしいボールが供給されていた、それが大きい。磐田の攻撃の組み立てとセレッソのそれが全く違う。アドリアーノの2点目にしても、相手のラインが浅いことに気づいた三人の選手、上本、清武、アドリアーノが連続して動き、長いフィード、ダイレクトの浮き球クロス、そして軽くミートするだけのフィニッシュまで繋がった。あそこまで崩せればラクだ。
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前半2-0で折り返し。このメンバーではほぼ100点の45分だったが、レヴィー・クルピは守備のテコ入れを行う。後半頭から小松を下げ山口螢を投入、ボランチに入れて家長を1列上げ、いつもの4-2-3-1のスタイルに戻す。

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後半開始時


だがこれが試合を荒らす原因になってしまった。山口螢は素晴らしいプレーヤーだが、マルチネスと比較するべきではないし、チームにも溶け込んでいなかった。最低限危険なエリアを潰してはいたが、ジウシーニョを入れて活性化をしていた磐田の中盤がスピードにのって仕掛けるようになってきた。ボランチの位置で相手を鈍化させて、最終ラインで仕留める守備が出来ないうちに、綺麗なワンツーを決められて失点。この2-1から前田にゴールを決められた3-2までの時間帯が一番不穏だった。

「ひょっとしていつものようにまたダメなんだろうか」

という弱気の虫が疼きだす。

しかし自慢の1トップ3シャドーがこの不安を吹き飛ばしてくれた。清武の素晴らしいロングフィードが磐田のセンターバックの裏を突くと、アドリアーノが健脚を飛ばしてキーパーと1対1、冷静に決めて、熱く吠える。

1点差になってもこの男は異次元。失点から僅か2分後に家長の精密機械のようなラストパスがボロボロになった磐田DFラインを無常に裂く、もう外すことをイメージする方が難しい、4-2。これで決まった、ここで決めてくれた。大舞台で最高の活躍をした褐色のストライカーは優しくエンブレムにキスをした。
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さあ、後は試合をどう潰すかだ。ここでバタバタなどしない、今年何度もやってきた仕事、それを今まで通りするだけ。満身創痍の乾を下げて次世代のゴールハンター、永井を投入、ボールに、相手守備に獰猛に噛み付く。

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後半22分


後半41分には主役が舞台を降りる。アドリアーノを下げて播戸。

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後半41分


しかし守備固めをした後も、勢いづいた攻撃が止まらない。丸橋のコーナーに合わせたのはアマラウ。ホーム鹿島戦、アウェーガンバ戦、ボランチながら大舞台では必ず決めてくる。
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お祭り男、播戸が綺麗に締める。家長が絶妙のタイミングでラストパス、ホットラインが繋がって、ふわりとループ。優しくネットを撫でて、6点目。この試合を最後に引退する奥寺主審が最後に出したカードは、ユニフォームを脱いで駆け出した彼へのプレゼントになった。
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ゴール裏からアンセムが聞こえる。バックスタンドでも、メインスタンドでも。15011人の声がキンチョウスタジアムに響く。過去にお別れする為に、アジアへの扉を開くために。そして、長い笛が響いて、それから、それから後は夢のような時間だった。あまり覚えていない。茂庭が泣きそうな笑顔でサポーターに握手していたことと、レヴィーが妻への愛を語ったことくらいが、かろうじて記憶野に残っているけれど、それくらい。
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このチームを1年間追えたことに喜びを感じる。シーズン序盤はこのままでいいのかと疑問に思うこともあったし、9月勝てなかった時も苦しかったけれど、本当によくやってくれた。ありがとう、本当にありがとう。今日からはもう来期に向けてのチーム作りが始まっているのだろうけれど、もう少し、この気持ちを味あわせてほしい。
posted by 西中島南方 at 12:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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