というわけで日曜日、サポコンの前に、大阪国際女子マラソンの為に開放されていた長居スタジアムに潜入取材をしてまいりました。試合の日にはセレッソの旗がたなびく街灯に、この日はマラソンの旗が掲げられていたりして、いつもとは雰囲気が少し違っていましたが、見紛う事なき我がホームです。
まず真っ先に目に入ったのは、通路から前に迫り出す形で設けられた身障者席ですね。
バックとメインの中央にそれぞれ5ブロックと4ブロック、それに四つある身障者用のスロープ付きゲートの周辺にそれぞれ2ブロック、計17ブロックの身障者席が増設されていました。後ろの身障者席はそのままのようですから(仮に一般席にしても見辛いだけですし、それでいいと思います)、収容人数は若干減る形になりますね。
身障者席自体はこんな感じ、広さも十分。若干バーが多い分、実際に使われる方には少し見辛いかもしれません。安全なことは安全なのですが。
それからビジョン化する予定の北側の電光掲示板には、まだ手が加えられていませんでした。
時間は十分あったはずなんですが、どうしたことか。設計自体は終了しているはずだし、施工も去年の9月にパナソニックSSマーケティング株式会社を抑えて東芝ライテック株式会社に決定しているし…。まあ芝の張替えと平行しても出来るんですがね。
次は世界陸上で記者席として使われる予定のメイン南側席です。
んー、ここも見事なまでに何の手も加わっていないんですが、これでいいのかな?TV中継用の特設ブースが写真上側にありますが、こんな感じでいくのかな?なんか工事頑張ってた割にはあまり進捗していないような…。
まあトラック部分に関しては、きっちり完了していました。そりゃマラソンですから間に合わないとダメなんですが。
さあ、これが「大阪発、世界新記録」を生み出す新しいトラックです!!
と言っても専門家でもない私が見たところで、劇的な変化があるかどうか判る訳でなし、多少表面のテクスチャーがくっきりした分、スパイクが引っかかりやすいかもという事ぐらいしか感想なしです。
この一枚はマラソンゲート(アウェーゴール裏とホームファミリー席の緩衝地帯辺り)からやり投げ用の助走開始位置辺りを撮ったものです。下側が既存のトラック部分、上側が新しく張り替えた部分です。くっきりと張り替えたラインが見えますね。
心配だったのは芝の状態。どうせ張り替えるからと手入れをしていないのか、それとも冬だからなのか、思っていたより酷く荒れていました。写真だとまだ見れるんですが、実際はもっと状態が悪かったです。サッカーが出来る状態ではありませんでした。
最後は余談です。私がスタンドに入った頃、丁度市民ハーフマラソンがスタートしていて、トラックを市民ランナーの方達が走っていたんですが、私がいたメインスタンドからだと、手前の走路を走られているランナーが若干見え辛いんですよ。なんというか、間合いに入り込みすぎているというか、スタンドの一番前が他の陸上競技場より高いせいもあるでしょうが、とにかくちょっと違和感があるんですね。
そりゃずっとサッカーしか観ていない人間ですから、そういう主観も入るでしょうが、陸上競技場としての長居スタジアムは、日産スタジアムよりも悪いスタジアムかも知れません。それくらい変な感じでした。それでは。
一昨年横国に遠征したときにゴール裏某さんから聞いた話なのですが、横浜国際は、スタンドの座席に座ったときにメインスタンド前のトラックが自然に視線の中心にくるような設計になっているそうです。(横国はゴール裏の座席でさえもそうです)だから、あのスタジアムがサッカーが見難いのは、ピッチからの距離だけの問題ではなくて、設計の段階からピッチでおこなう球技を中心に考えられていないスタジアムだからなのです。その分陸上競技は見やすいはずです。
長居スタジアムは、スタンドの座席に座ったときに、自然にピッチの芝生が視線の中央にくるような設計になっているそうです。逆に、南方さんの指摘のように、トラックを使った陸上競技の観戦にはやや不向きなスタジアムなのです。この設計については、長居スタジアム改築当時にサッカー協会ラグビー協会等と陸上協会との間でかなりのやり取りがあったそうですが、球技優先のスタジアムとして生まれ変わったそうです。(想像ですが多分それにはJリーグのチームのホームスタジアムになるという要因もあったと思います)
端的に言うと、横浜国際はサッカーもできる陸上競技場で、一方、長居スタジアムは、ピッチのついた球技場であると定義できると思います。
つまり私たちは日本最大級の球技場をホームしているのです。その先人達の努力を今のセレッソというコンテンツが生かしているかどうか疑問です。それは私たちサポーターも同様です。
○長居スタジアムはトラックのついた球技場
×長居スタジアムはピッチの付いた球技場