それから何度か、私はそんな夢を見ている。しかし見慣れてくると、便利なもので、例えば些細な一言を言ってしまったが為にケンカになった夢を見たら、それと同じ場面で同じ言葉を言わないようにしたり、トラブルの芽を摘めるまでになっていた。諍い事がゼロになった訳ではないけれど、これのおかげで随分と得をした。
「弊社と致しましては、個人のご要望にお応えする事は出来ません。」貴方たちはそんな内容のメールを私に送ろうとしていますね。いやいや、私の予知夢がそう告げたのですよ。見ましたよ、二人してどうしましょう?こうしておけってささやいていたのを。いや、便利な能力だ。