"Z"がアルファベットの最後であるからと「退路はない、奮励せよ」という意味で使ったのは、英国の伝説的英雄ネルソン提督が最初らしい。時に1805年、場所はトラファルガー沖。彼は自らの命と引換えにフランス艦隊を駆逐し、ブリテン島を守った。対馬沖に地球を半周してやって来たバルチックフリートを見据えた時、その圧倒的な戦力差を感じながら、なお不敗の決意を示すために、俺達の先祖は三笠艦上にZ旗を掲げた。イギリス流の海軍編成を行っていた日本海軍らしいといえば、らしい話だ。
俺は軍隊も戦争も好きではないけれど、人には、国には、そしてチームには、負けられない、避けられもしない壁が時々やって来てその力を試される瞬間がある。明日はセレッソにとって、まさにZ旗を掲げるべき一日になるのだろう。
今度こそ今度こそと言いながら、俺達は何度敗れ去ってきただろう。
次がある次があると言って、何度栄冠を逃してきただろう。
明日こそが、その「今度」なのだ。
明日こそが、その「次」なのだ。
旗を振ろう、俺達の色に染めぬいた旗を。そして勝とう、掴み取ろう。
The destiny of our empire depends upon this action. You are all expected to do your utmost.
皇国の興廃此一戦に在り、各員最上の努力をなさんことを期待せらる