前半38分 乾 貴士(C大阪)
後半30分 カイオ(C大阪)
後半43分 乾 貴士(C大阪)
後半44分 マルチネス(C大阪)
後半16分の交代、これが全てだった。リスクのある采配だったが、結果は最高のものだった。
スタメンとリザーブ。羽田が出場停止の為前田が3バックの一角に入った。FWのリザーブは小松。
試合開始時
立ち上がりは熊本のペース。木島、宇留野、藤田、西、攻撃陣の出足が早く、守備でも攻撃でも先手を取られてしまう。失点のシーンも藤田の老獪さ、木島のスピードと経験が生きたもの。あのレベルで崩されると今の守備陣では応対できない。
熊本とすれば、この先制パンチでここ4節1勝2分1敗と波に乗れないセレッソの出足をくじく意図があったのだろう。実際前半の殆どの時間、素晴らしいプレーをしたのは熊本イレブンだった。しかしセレッソの誇る3人がこのハンデを乗り越え、熊本の守備を崩す。カイオが基点となり、香川が繋いで、最後は乾の突破。0-1で前半終了かと思われた中での同点弾には千金の価値があった。
それでも熊本は食い下がる。後半も主導権を握り、セレッソはここ数節の悪癖、運動量の低下が起き始めた。流れが再び相手のものになりかけたその最中、レヴィー・クルピは思い切った策に出る。3バックの一人前田を下げて濱田を右ボランチの位置に投入、変則の4-3-2-1にシフトチェンジをしたのだ。
後半16分
3枚のボランチが最終ラインの前で相手の攻撃をディレイ、奪ったボールは濱田、マルチネスが攻撃陣に送り込む。両サイドの負担も減り、少しずつチャンスを生み出し始めた。勝ち越しとなったカイオの復帰後初ゴールも攻撃参加した濱田が絡んでいる。
一度リードを奪えば相手のモチベーションは大きく下がる。セレッソはシュートの雨を降らせ、熊本を自陣に釘付けにした。その勢いはカイオが下がり小松が投入された後も変わらなかった。
後半38分
乾の2点目は小松のゴール前のクロスを香川がスルーしたところで勝負あり。3-1とし、このゲームをモノにする。
本来ならこれで守りに入るのが定石だが、今日は押せ押せムード。香川のドリブルで得たフリーキックをマルチネスがクリティカルヒットでゴール隅に突き刺す。キーパー木下はゴール前で一歩も動けなかった。
後半44分
早い時間に先制され、苦戦が予想されたゲームだったが、後半は上手くセレッソの流れに引き込むことが出来た。4バック、3ボランチへの勇気ある変更を行った監督レヴィー・クルピの勇気がこの結果を呼んだといっていい。今日は脱帽だ。
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クルピは就任以来、3−5−2 4−4−2 4−3−3 3−4−3とシステムをいじくり倒しています。4−3−2−1 3ボランチというシステムも、就任初年度、4−4−2からリードした終盤、千葉をボランチに投入して、逃げ切りにおきまりのように使っていたシステムです。
3バックの場合、サイドの裏のスペースが穴となり、それをどう埋めるかが問題となります。最近はそこばかり攻められていましたが、修正すべく、ゲーム途中での変更を「ゲームプラン」として持っていたのではないかと思います。事実はクルピに聞かないと分かりませんが。
羽田、藤本をボランチ DFで使い、濱田を前目や守備的「ボランチ」で使って、個々の能力を引き上げてきた結果が、現在のゲーム途中でのシステム変更可能なチームを成しているのであって、今日の試合の采配が単なる監督の思いつきとは思いません。
僕の記述も、憶測による部分が多いのは確かですが、クルピは我々が考えるのとは、思考の次元が違うのは確かなようです。それが故に、批判も多々出るのでしょうが。