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Sun 20 Jul 2008

J2第27節 C大阪1VS2広島 俺たちが大阪。

後半7分 小松 塁(C大阪)
後半10分 佐藤 寿人(広島)
後半18分 柏木 陽介(広島)

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「さあ行こうぜ俺たちの大阪」

 と歌っている限りは、サポーターも含めてセレッソ大阪という一つのチームなのだと考える。サポーターはサポーターとして、チームの一部だという意識を持たねばならない。

 確かに今日のアレーは酷かった。いい所が殆ど無かった(それは他のほぼ全てにも言えることだけれど)だからと言って彼に暴言を吐いたりビールか何かをぶっ掛けるというのは言語道断だ。チームとサポーターの間に亀裂を生むような行為をしたサポーター"まがい"のした事は、今日のチームのプレーよりも許されざるものだ。


 先発は仙台戦と変わらず。二試合連続完封で守備陣に自信が戻ってきたが、今日のポイントは中盤の出来だった。いつものように中盤を制圧できるのか、それとも広島に力負けしてしまうのか。

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 前半の広島は若干守備的だった。佐藤寿人は前線で裏を取る機会を虎視眈々と狙っているが、他のメンバーはやや下がり目で、セレッソの攻撃的な二列目と対峙した。

 本来二列目はそのキープ力で、サイドバックの動きを引き出し、小松へのパスを供給し、個の力で突破していくのを本懐とする。しかし広島のボールへの寄せの早さ、質の高いプレッシングに苦しむ姿が観られた。ワンタッチパスを連続させてボールロストだけは避けようとするが、攻撃を何とかする所までは至らない。

 それでも最初のビッグチャンスはセレッソ。前半10分頃、小松がスピードよく相手守備陣を突破し、PKを獲得したのだ。キッカーは某掲示板でPKの練習を積んでいたと伝えられたアレー。

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 色眼鏡で見ていた事を否定しないが、PKをアレーが蹴ると判った瞬間、スタジアムに異様なざわめきがおこったのを覚えている。そしてアレーは実力でそのざわめきを黙らせられなかった。スピードもコントロールもないボールは枠内にすら収まらなかった。


 ここをしのいだ広島は徐々に本来のプレーをし始めた。特に佐藤寿人がいい。ラインの裏を取るのが実に上手く、江添と前田は苦労していた。サイドバックが上がったスペースも丹念に利用し、終始セレッソは手を焼くことになる。安定した守備、質の高いプレーを続けた中盤、そして一人で守備陣をかき回す佐藤寿人。前半の最後まで、その図式は変わらなかった。審判は多少ホーム寄りのように感じたが、それでも広島の勢いを弾き返すのがやっとだった。山本の頑張りが無ければ2、3点は取られていただろう。


 ただピンチの後にチャンスありとはよく言ったもの、後半立ち上がりの流れを掴むと、小松が角度の無い位置から難しいシュートを決める。小松はこの試合攻撃陣で唯一輝いていた存在だった。

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 並のチーム相手ならこれで一気に流れを決められていたろう。パス回しで相手を走らせ、体と頭のスタミナを削っていけばいい。ただ、今の広島は並のJ2では無かった。先制から僅か3分後、佐藤寿人のミドルが決まって同点。なまじリードをしていたものだから、この同点弾でチームは浮き足立ってしまった。相手中盤へのプレッシングがかからず、スピードに乗った相手攻撃陣の猛攻にあう。

 この流れの中で、柏木のゴールは生まれた。スピード、コントロール共に完璧だった。皮肉を言わせてもらうなら彼が北京に行かないというのが信じられないくらいだ。

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 リードを奪われたからには何とか打開策を講じるのが監督の役目というもの、しかしクルピの腰は相変わらず重い。広島ペトロヴィッチ監督が次々とカードを切り、チームのクオリティをコントロールしているのとは好対照だった。

 逆転を許してから、チームの各所で問題が発生していた。特にボランチが酷かった。守備ラインと完全に同列まで下がるのでボールホルダーへの寄せは後手を踏んでしまうし、攻撃へのジョイントも遅い。二列目のトリオ、乾、濱田、香川にも本来の輝きは無かったが、この時点での第一義はとにかく守備を立て直す事だった。そうして切られたカードは、青山と古橋の交代、濱田のボランチへの移動だった。

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 前線でのカンフル剤として期待された古橋だったが、出来は良くなかった。ボランチの二人、濱田、アレーの役割分担も曖昧で、チームのポテンシャルは下がってしまった。

 個人的な意見を言わせてもらうなら、アレーに代わって古橋、はたまた羽田、という手は無かったか。羽田ならある程度守備に計算が立つ、また古橋を上げて濱田、青山のダブルボランチなら役割もはっきりする。青山のフィジカルに問題があったのか、その辺りは判らなかったが、もし青山の状態が良かったのなら、この交代は疑問だ。

 二人目の交代はもっと不可思議だ。濱田を下げてチーム合流間もないカイオ。システムはこの時点で瓦解していたが、あえて言うなら4-1-3-2の二列目というところ。

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 残り時間僅か3分での交代で何が出来るのか。事実カイオはラストのフリーキック以外で見せ場を作れず。絵に描いたようなチームにフィットしていない外国人を演じてしまった。他の選手とコンビネーションを見せるでもなく、個人技で豪快に状況を打開するでもなく…。

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 とにかく今日はスコア以上に完敗だった。4対20、今日の両チームのシュート数だ。これを次の対戦までに、少なくとも同数にしなければ(それ程のチームにならなければ)これからも苦戦は免れ得ないだろう。時節は対戦が無く、最悪5位転落も有り得る状況下においては、ただチームを練磨し、再構築し、再び戦える集団へと生まれ変わらなければいけない。勝利、そして昇格こそ、唯一無二のファンに対する感謝だと言うことを忘れてはいけない。
posted by 西中島南方 at 02:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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