Dong-Gook Lee(Jeonbuk Motors) 6'
Ryuji Bando(Cerezo Osaka) 29'Dong-Gook Lee(Jeonbuk Motors) 45'
Hiroshi Kiyotake(Cerezo Osaka) 56'Sung-Hwan Cho(Jeonbuk Motors) 58'
Bo-Kyung Kim(Cerezo Osaka) 65'PK
Hiroshi Kiyotake(Cerezo Osaka) 81'飛び抜けて手強いとは感じなかった。日本にだって、素晴らしいチームはたくさんある。セレッソはそうしたチームと日々戦っているのだから、気後れせずに戦えば、こうした魂の震える試合ができる。これはセレッソの勝利であり、Jリーグの勝利だと言いたい。
スタメンは奇跡の広島戦、後半のメンバーが並ぶも、ベンチに動き。尾亦が復帰し、守備的な選手を厚めに入れてきた感がある。
もう一度書くが、全北は決してうまいチームではない。ただし球際が激しく、Jリーグの試合で感じる「お互いラフプレーは慎もう」という暗黙の了解みたいなものが全く感じられない。バックチャージは当たり前、こういうシーンも。
チームとしては戦線に力のある選手が揃っていて手強い。特に20番イ・ドングッの高さ、強さ、懐の深さと、その周りを動きまわる10番ルイズがうっとうしい事この上ない。
イ・ドングッは、ある程度高さを放棄してもラインを高く保ち、スピード勝負では負けないというセレッソの守備には天敵。ポストプレーでタメを作られて裏に走る2列目をフォローされるとほんとうに厳しい。
先制点はそのイ・ドングッ。バイタルであれだけボールを細かくつながれ、フリーランをされれば、それは防げない。茂庭、上本が本調子ではないのか、ボランチに問題があるのか…。
さすがKリーグ首位は違うなと気後れしていたスタジアムの空気、その流れを変えてくれたのは絶好調のゴールハンター、播戸。前半29分にキム・ボギョンが右サイドで競り勝ち危険なエリアに侵入、至近からのクロスを上手くつめた!
このままタイで前半を降り変えせば、この試合はもう少しセレッソよりに進められていたと思うのだが、またしてもイ・ドングッ。確かにうまい、いいシュートだったけれど、前半のラストプレーでの失点というのは、残念としか言えない。
ただし、広島戦のようにいいところが全くなかったわけではなく、相手の守備組織の稚拙さを突けばなんとかなるという空気はあった。長居にいた全ての人間が、そう思えるだけの勇気と戦意を持っていた。
後半に入るとノーガードの殴り合いの色が濃くなる。全北はロングボールを前線に当てて何とかするのが基本なのだけれど、これが続くと前線とDFラインの間がバカに広くなる。セレッソが耐えられないとピンチになるが、上手くボールを奪えば3シャドーとキム・ボギョン、播戸らのまわりにはヨダレが出るようなスペースがたくさん生まれていた。
再び同点に引き戻すゴールは意外な形。コーナーキックから酒本の精度の高いボールが入り、スルスルとスペースに駆け込んだ清武にドンピシャ!!
しかし全北も負けてはいない。直後のコーナーキックでチョ ソンファンの高く強いヘッド。再び突き放される。この悪癖は治らないのか。
前半は立ち上がりとロスタイムに失点、後半は同点に追いついた直後の失点。こうまで流れが悪いと気後れもするはずだが、広島戦の後で、しかも観客はいつもより熱気を帯びて声援を送っている。選手もどこか妙なテンションで恐れずに攻め続ける。昔、モリシやアキがピッチを駆けていた頃の、あのイケイケのセレッソを観ているような気分。
相手のゴール前まで攻め上がれば何が起こるかわからないもので、フリーキックを防ぐ壁の選手がよりにもよってハンド(現場ではラッキーだなと思ったが、動画を見ると明らかなハンドだった)をしてしまいPK。キム・ボギョンが冷静に決めて三度目の同点。
この直後から、セレッソはカードを切ってフレッシュな選手を入れていく。後半23分には体調が万全ではないのに走りまわってくれた播戸を下げて大竹をピッチに送り込む。ファビオ・ロペスが1列上がって4-2-3-1は変わらず。
後半23分
その6分後には裏を狙われていた?丸橋を下げて経験豊かな尾亦を入れる。
後半29分
尾亦は久しぶりにトップでのプレーとなったが、ほぼノーミスで守備の破綻を防いでくれた。大竹も初見でどのような選手なのか注目していたけれど、ドリブルが上手く、テクニックがあっていいし、ガツガツと競りに行くスピリッツも頼もしい。ボールをキープしたいところでのオプションとしては申し分ない。連携がとれてくればもっと映えるはずだ。
さて、全北にアウェーゴールをたらふくとられた以上、セレッソはこの試合何が何でも勝たなければいけなかった。試合も終盤になると崩れたラインを突破して好機を何度も作るが、これが決まらずで、徐々に焦りが生まれ始める。
こんな時に決めてくれるのがエースということなのだろう。清武がとびきりのアイデアで勝ち越しゴールを叩きこんでくれた。2点目と同じコーナーキック、高さを警戒して引き気味になっているDF陣を見て、キッカー酒本はトリックプレーを選択する。サインを送り、走りこむ清武に絶妙のグラウンダー。清武も正確なコントロールでダイレクトシュート、セレッソが後半36分にしてこの試合初めてのリード。
してやったり!
この後、セレッソは全北のロングボールを多用した攻撃に悩まされ、耐える時間が続く。前線に杉本を入れてタメを作ろうと尽力するが、青息吐息。
後半41分
それでも、勝てた。試合終了までのロスタイム4分は長過ぎたが、耐えに耐えての勝利。これでアウェーの2nd legは同点でよくなった。1点入ると入らないとでは、大きな違い。
まだこのトロフィーの話をするべき段階ではないが、これを目標にチームが一つにまとまってくれるなら、それはそれで意義がある。勝とう。そして、新しい歴史を。