ちょっと前だったら、俺はずっとずっと日本の勝利と、清武の活躍だけを願っていたと思う。いや、今でもそうなんだけれど、今は100%ではない。
テレビの画面に見慣れないユニフォームに身を包んだチョン・テセやアン・ヨンハ、そしてリャン・ヨンギが映るたびに、心がチクリと傷んだ。目の前でプレーを見ていた選手、敵にすれば恐ろしく、味方にすれば頼りがいのあるプレーヤー達にも、何かしらの幸せがあればと。僅かにではあるけれど、そう感じていたんだ。
セレッソからは、キム・ソンギが選ばれている。もし何かしら番狂わせがあれば、ハイボール対策でピッチに入っていたかも知れない。そうなれば、清武とキム・ソンギの空中戦なんてのも、無い話ではなかった。そうなったらどうすればいい?
吉田のゴールが決まった後、カメラは残酷にもベンチで落胆するチョン・テセを映していた。無念そうに肩を落とした彼は、乾のチームメイトで、ドイツで初めて面倒を見てくれた、イイやつだ。心が痛くないほうがおかしい。
ギリギリの戦いでも、相手に何かしらの想いを持ってしまうのは、大人になり、甘くなったからか、それとも、成長したからか?少し複雑で、文章もまとまらないや。