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Tue 10 May 2011

ACL#6 Cerezo Osaka 4vs0 Shandong Luneng

Rodrigo Pimpao(Cerezo Osaka) 39'
Hiroshi Kiyotake(Cerezo Osaka) 46'
Takashi Inui(Cerezo Osaka) 72'
Shu Kurata(Cerezo Osaka) 81'



高い目線で見れば歴史的な勝利であるし、近視眼的に見れば今季のベストゲームであるし、小松、倉田、ボギョンなど、ここまでくすぶっていた選手達の力と、チームを引っ張っていた乾、清武、茂庭らの力がしっかりとかみ合ったという側面もあり…。つまり何が言いたいかといえば、山東のプレイヤー達が見せた下劣極まりないカンフーキック以外は、全てがセレッソの期待通りにすすんだ試合だった、ということだ。


この歴史的な試合、スターティングラインナップは前節、Jリーグ第10節と大きく変わっていた。マルチネスが出場停止のためキム・ボギョンがボランチに、さらに好調をキープしている小松の勢いを買ってピンパォンとの2トップ。4-2-3-1を捨て、4-2-2-2を選択した。ベンチには藤本が入り、スタメン落ちした倉田、若手の山口、永井らも見える。

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結論から言うと、このフォーメーションのテコ入れが全てだったように思う。今季初めて、ピッチ上の11人が個々にしっかりと役割を果たしてくれた。特に2トップと2列目の4人の連携、これにボギョン、丸橋を加えた攻撃の精度、迫力が素晴らしい。

小松がよく動き、相手DFを引きつけるので、ボールを持ってからのプレーに魅力があるピンパォンが生きる。下がっても守備が詰めてこないので乾、清武と自由にボール交換ができた。山東はアウェーであることを差し引いても鈍重で、このスピード感ある攻撃陣に対して常に後手を踏んでいた。まだ後手を踏むだけならばいいが、セレッソの選手達の足まで踏んでほしくはなかった…。目の覚めるような攻撃と、目を覆うラフプレーが何度も何度も交錯した。

アウェー山東戦では9番Peng Hanにロングボールを当てて起点を作る攻撃を防ぎきれなかった守備陣だが、前が奮闘して球際を厳しくつめるので正確なボールが来ず、茂庭、上本、高橋らが体を当ててしっかりと潰せていた。立ち上がりは何度か厳しい流れになったが、それも15分までだった。

さあ、セレッソの攻撃だ。乾、清武、ピンパォン、そして小松が相手守備を引っ掻き回すので、後ろから上がってくる選手に対するマークは緩い。高橋が、丸橋が、果敢にシュートを放つ、Cheng Yangは雨で濡れたボールを冷静に処理する能力に欠けていて、とにかく弾きだすのが手一杯だった。それもどこに弾くかはボール任せ。山東の出鼻をくじいたピンパォンのゴールにしても、ピンパォンのミドルを弾き、丸橋の第2波にやっとのことで反応した挙句に、ゴール前をがら空きにしたものだ。これで山東はアウェー、残り50分間で2得点をとらなければいけなくなった。


後半、前線の選手を増やした山東の選択は、自らをより苦しい立場に立たせた。守備、中盤が劣勢であるにもかかわらず、ボールがこないFWの人数を増やしたのだから、ボールポゼッションも、攻撃の質も、完全にセレッソ優位。後半1分、小松との素晴らしい連携と個人技が生きた清武のゴールで山東のモチベーションを完全に破壊した。白と青のアウェイユニフォームを着た選手に残っている仕事といえば、自尊心を保つために暴言を吐き、セレッソのプレイヤー達に悪質なタックルをしながら、この屈辱を受け入れる準備をするくらい。ボールではなく、中後、ボギョンらの足首に向かってスパイクの歯を向けたYongpo Wangは帰国後にルールブックを読み返せばいい、もう今年のACLは終わったのだから、そのための時間はたっぷりあるだろう。

ラフプレーへの報復は、クリーンなゴールで。乾がらしからぬ泥臭いゴールが決まり3-0になると、Peng Cuiが2枚目のイエローで退場。もう試合は試合としての体を崩し始めていた。

それでも手綱を緩めないレヴィーは、機能不全の山東中盤を制圧するため、お役御免となったピンパォン、小松を下げ永井、倉田を投入、4-2-3-1にシフト。

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後半29分


こういう日は何をしてもうまくいく。倉田が強引に突破からそのままゴールを決め、4-0。アウェーアレマ戦の4-0も意味深いものだが、それぞれが役割を果たしたこの4-0もこれから続くACLやリーグ戦に向けて収穫の多いものだ。小松や永井のように動きまわる選手を前線に入れて守備の間隔を押し広げれば、乾、清武、そしてピンパォンがイキイキとプレーし始める。ボランチも前がこれだけ動いてくれればパスコースが複数生まれ、球離れがよくなる。今年の形はこれで決まりだろう。

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後半31分、負傷した中後→山口。大事をとってのもの


クラブ歴史上初のACLで、これまた初のグループリーグ突破。これはチームにとっていい流れだ。ラウンド16にカード累積で茂庭が出られないのは痛いが、それをどうこう考えられる我々は、今までより遥かに幸せな悩みを抱えているのだと自覚しよう。これからは何もかもがクラブ初になる、歴史に名を刻みたい選手達は今のうちにツメを、キバを研いでおくことだ。
posted by 西中島南方 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする