代表の試合があるって言えば一週間前くらいからワクワクしてた。モリシやアキや神田さんやヨシトが代表に呼ばれたと聞いたら、とても栄誉なことだ、頑張ってほしいって気になってた。
でもドイツW杯の前後くらいからだと思うけれど、代表に対する興味がスコンと抜け落ちてしまった。それはもう見事なくらいで、100年の恋も冷めるような、酷い有様だ。今では香川や乾が、自身の調子が悪いにも関わらず呼ばれたりしたら「何してくれるねん、怪我したらどないすんねん」と感じるまでになったし、例えガンバの選手であっても「あいつ調子悪いんじゃなかったっけ?体大丈夫かな?」と思うまでになった。
それは特段自分にだけ起こったレアケースでは無いようで、Jクラブを応援しているサポーターの中には、少なからず「今の代表にウチのクラブの選手を呼んでもらっても嬉しくない」という層が存在している。そしてオレも含めたそういう層の人間は、別に「代表よりクラブの方が好きだから」なんてシンプルな理由でそうなったのでは無い、多分。
出来るだけ簡潔に言うなら、今の代表は本当の意味で代表ではない。代表ってのはその国の選手、スタッフ、協会が最大限に努力して、苦心して、これ以上無いという「強さ」「良さ」をもっているチーム、だと勝手に解釈しているんだけれど、今のチームがそうかって聞かれたら、それは多分「NO」だ。ちょっとサッカーを知っている人間なら選手選考やチーム作りに対して疑問を持ったり、代表戦に不甲斐なさを感じたことがあると思う。そうした悲しい現実が、代表という価値を少しずつ下げていっている。
サッカーを単なるメディアコンテンツの一つと考える人達にすれば、有名な選手、人気のある存在がピッチに立って、広告料を稼いでくれれば問題はないのだろう。だけど、そんな価値基準で動いているチームが強いわけが無い。サッカーに興味を持っている層、これから持ってくれるかも知れない(もしくは知れなかった)層に感動や自尊心を与えられるわけが無い。皮肉なことだけれど、人気重視、内容軽視が続く限り、代表人気ってのは下がり続けるだろうし、内容に至っては目も当てられない状態になるだろう。上辺だけを取り繕った存在が、いかに軽薄でみっともないかは、よく知っている。
この流れはワールドカップ予選敗退規模のショックがあって、協会がメディアとの関係を見直すまで続くんじゃないか。日本サッカーがもう一度強い代表、魅力ある代表、誇らしく世界に示せる代表を作るためにどうしたらいいのかを真摯に考え、それを第一として動き出すまで、時間がかかると踏んでいる。それは何ヶ月とか、一、二年というスパンではなく、五年、十年という作業になるだろう。世界と日本の位置関係が白日になるワールドカップがその尺で動いているうちは、仕方が無い。
誤解がないように言うならば、現場の人間は現場の人間としてのベストを尽くしていると信じている。誰も好き好んでつまらないサッカーをしたいわけじゃないだろうし、香川のように海外でプレーがしたい、その為に代表で結果を残したいという選手もいるだろうし。ただ人材のミスマッチが存在する限り、集団はいつになっても良化したりしない。
そんなチームの試合を観ることは、サッカーが好きで好きでたまらない、という人間にとっては、とても苦痛なことだ。これも皮肉だけれど、好きだからこそ、観たくないって想いは強いんじゃないかな。