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Sat 31 May 2008

J2第17節 C大阪2VS0愛媛 カレカありがとう、おめでとう。

前半10分 古橋 達弥(C大阪)
後半29分 カレカ(C大阪)


 子供を授かった時の気持ちというのは、それは特別なのもので、他に比べるものが無い。その喜びを仲間が祝い、自らも祝砲を放った。母国を離れ地球の裏側でサッカーを続けるのは想像を絶する辛さだろうが、今日は心休まる一日になったろう。

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 先発に異変があった。香川はフル代表に、柿谷はU-19に召集された、ここまでは計算のうち。ところが尾亦までもウォームアップ中に左膝に違和感を感じ出場が不可能に。急遽丹羽が出場し、リザーブには山下が入った。

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 システムとしてはベースは4-3-3、後輩香川の留守を預かる濱田は守備時にはウイングのように開き、攻撃時はトップ下の位置に移動、古橋、小松とトライアングルを形成する。

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 試合の入り方は無難だったと思う。香川が抜け落ち込みが予想された中盤の運動量は、ジェルマーノやアレーが少し上がり目になる事で補った。ボールポゼッションも高く、合格点の出来。


 先制点はこの流れの中で生まれた。小松が上手くラインの裏を突き、キーパー多田と1対1。決めきれなかったもののボールはこぼれて再び小松、流したところに古橋。

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 古橋はスタメン復帰の2試合で3得点、完全に試合勘を取り戻したようだ。ゴール後のパフォーマンスはカレカに、そして生まれてくるジュニアに向けたゆりかごダンス。実直な古橋には珍しいシーンだ。


 前半の得点シーンはこれだけだったが、双方にあわやという場面があった。愛媛はスピードあるFWが徹底して走り回り、ディフェンスラインが手を焼く。対するセレッソも古橋がフリーキックを直接狙ったり、濱田が珍しいエゴイスティックな突破を図ったり。再三再四チャンスを得るが今日の多田は当っていた。

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 後半はほぼレヴィークルピが描いていたプラン通りだったのではないだろうか。多少のアクシデントはあったものの、イニシアチブは終始セレッソだった。羽田が宮原のケアをすることで少しずつその存在感を消していったのが印象的だ。

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 アクシデントというのは小松の負傷(?)接触でどこかを痛めてしまい、途中でベンチに戻った。代わって入ったのはカレカ、そのままトップに。また途中でカードを貰っていたアレーも下げ、酒本を右サイドに、ボランチをジェルマーノ、羽田で組んだ4-4-2のスタイル。

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 正直に言って、この時、このスタイルで点をとるのは厳しいだろうと感じていた。カレカではポストプレーが出来ずボールが落ち着かない、ハイボールの競り合いでは必ずボール2個分くらいずれるのだ。

 ただし今回はカレカが活躍するシチュエーションが用意されていた。リードを許していた愛媛は前に出る必要があり、後ろにスペースがあった。また酒本、古橋とタテへの推進力を持ったプレーヤーが揃っており、マークが若干緩んでいた。結果としてカレカが一番得意としている足元にボールを納めてのプレーを仕掛ける機会が増えていた。得点機でも古橋、羽田が波状攻撃をかける中、カレカに対するマークはずれている。それでもそのチャンスを逃さないところは素晴らしい。ゴールを求められているポジションの人間がゴールを奪ったのだから、それは手放しで喜ばれるべきものだ。今DVDで試合を観なおしているが、一目散にベンチに駆け込むカレカの姿が印象的だ。


 こうして5月は負け無し、当座のライバルとなる横浜FC、湘南、仙台との差を引き離し、試合の無かった広島との勝ち点差を1に縮めた。試合のクオリティは決して高いとは言えなかったが、ベストメンバーを組めずとも確実に勝てるチームに文句は無い。この流れを少しでも長く持続させたい。

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posted by 西中島南方 at 23:04 | Comment(1) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Thu 29 May 2008

君死にたもうことなかれ。

 出陣していく弟の無事を祈り、無益な争いを憂いだのは我が祖母の故郷である大阪、堺の詩人与謝野晶子だ。かわいい弟を戦地に送るのは、富国強兵に邁進し「お国の為」が合言葉のように叫ばれた時代にあっても悲しい出来事なのだ。


 話は変わって代表の話題。ワールドカップアジア3次予選日本代表が昨日発表になった。皆の承知の通り、我がセレッソから香川が選ばれた。

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 ただ今回に限っては、素直に喜べない自分がいる。まさに「君死にたもうことなかれ」という心境だ。

 代表という言葉が遠く霞んで見えていた頃は、代表にさえ選ばれれば沢山よい経験が出来て、選手は一回りも二周りも大きくなって帰ってくるんだ、世界を相手にプレーするのだから控えであっても何か得るものがあるのだと思っていた。全く浅はかな考えだと今になって思う。とどのつまり、今の代表の試合を観ていて、これで何か得られるのかと疑問なのだ。

 例えばコートジボワール戦でのプレー、あれが本来の香川のプレーかと聞かれれば、答えは当然NOだ。中盤の底から前線まで動きまくり、チームの潤滑油として機能している姿こそそれである。しかしそのような動きをせず、2列目としてポジショニングするように指示があったと後で聞いた。


 勿論「俺様プレー」が出来る選手など限られていることは百も承知だが、選手の持ち味を把握せずに指示をするのも如何かと思う。そんな状態で香川は大きくなれるのだろうか。

堺の街のあきびとの
旧家をほこるあるじにて
親の名を継ぐ君なれば
君死にたもうことなかれ
旅順の城はほろぶとも
ほろびずとても 何事ぞ
君は知らじな あきびとの
家のおきてに無かりけり


 予選突破は、国家代表としての責務だ。ただしその中で、どうか無事でいて欲しいと願う。
posted by 西中島南方 at 12:54 | Comment(1) | TrackBack(0) | セレッソ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sun 25 May 2008

J2第16節 岐阜0VS5C大阪 蘇生。

前半31分 ジェルマーノ(C大阪)
後半10分 カレカ(C大阪)
後半27分 古橋 達弥(C大阪)
後半32分 古橋 達弥(C大阪)
後半35分 ジェルマーノ(C大阪)


 私が知っているセレッソは、強い者に強く、弱い者に弱かった。選手は一度落ち目になるとリカバリに随分と時間を要した。要するに若干「どんくさい」チームだった。今のセレッソは随分と変わった。強い者にも歯向かい、弱い者も粛々と狩る、いい意味で残酷なチームになった。その上私も含め多くのサポーターから助っ人失格と揶揄されたカレカ、怪我明けの古橋、試合はおろかベンチからも遠ざかっていた濱田がそれぞれ結果を残した。非の打ち所がない試合だった。


 この試合最大の関心事は、言うまでも無く「香川の穴をどう埋めるか」方法は二つあった。一つは今までのシステムを踏襲し、香川のポジションに代役を立てる方法、いま一つは、違うフォーメーション、違うコンセプトのチームを作る方法。

 大抵の場合は前者が選ばれる。計算が立つし、差分は本来のプレーヤーと代役のプレーヤーのそれだけに収まると考えられるからだ(チームプレーが基本のサッカーの場合、実際はそれよりも大きな差が出てしまうのだけれど)

 しかし今年のセレッソは前節でもあった通り、二つのシステムを併用している。香川、柿谷、小松のテクニックが生かせる4-3-2-1が組めなければ4-2-2-2がある。トップの一角がカレカであったのは驚きだったが、今回はタイプの違う小松とのコンビだった。これが今節のプレーに繋がったのではないだろうか。

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 前半、特にPKを得るまでの流れは一進一退だった。セレッソは思っていたよりもクオリティを落とさずに試合に臨んでいたが、岐阜もホームの意地、練磨されたチームの連携がある。第1Qでも手を焼いた片桐はやはり素晴らしいプレーヤーだ。個人でゴールを狙うプレーも危険だが、彼が起点になるプレーでも大いに苦しめられた。ミドルで一、二度、それ以外にも一度厳しい局面があったが、相澤のセーブやシュート精度に助けられた。


 PKを得られたシーンはなんでもない遅攻から生まれた。ゴール前でのひらめきとテンポの良さが相手の守備に穴を作らせた、そしてそれをアレーと柿谷が見逃さなかった。

 一度リードすればこちらのものだ。一ヶ月以上負け知らずなのだから、優位に立った時間帯での立ち振る舞いは判っている。流れは未だ流動的ながら少しずつやりたい事をやりたい様にし始められた。柿谷、古橋は途中からポジションを移動したが、この微調整も上手くいった。前半の残りは攻める岐阜、いなすセレッソという格好。


 後半は二つに分けて話をしたい。3点目を古橋が奪うまで、つまり岐阜が戦意旺盛だった時と、それ以降だ。

 まず岐阜について。大差がついたがそれは岐阜がそれ程のものだったからではない。前半同様後半立ち上がりの岐阜も危険極まりない攻撃を仕掛けてきた。肝を冷やしたのは一度や二度ではない。ただ守備にほんの小さな、僅かな隙間があった、ただそれだけだ。同じような隙間はセレッソにもあった。それを突けたか突けなかったかの違いだ。

 この試合岐阜が作った2度目の隙は後半10分のショートコーナーだった。セレッソの各選手に付いていたマークがずれる。ゴールを決めたのは不振を極めていたカレカ。

 カレカは今年一番の出来だった。個人的にもコンディションが良かったようだし、小松がいることでポストをする必要がなくなった分、生き生きとプレーしていた。ゴールという結果がついてきたことで次節以降にも期待が出てきた。新外人の噂もチラホラ出ているようだが、それも起爆剤になったのだろうか。

 それでも岐阜は攻めの姿勢を崩さなかった。後半で目立ったのはプレスキッカーの梅田。セットプレー、ミドルで寿命を縮めさせてくれた。

 この状況が変わったのはセレッソの今日唯一となった選手交代から。カレカout濱田in

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 この交代で古橋が一列上がり、本職であるゴールゲットに専念できる位置についた。濱田は濱田で久々の出場、ここで結果を残さなければ取り残されるという気持ちもあったろう。かくて攻撃陣の貪欲さはその鋭さを一層増すことになった。3点目を幸運と呼ぶこともできるだろうが、その幸運を手繰り寄せたのは前線の攻撃に対する意識の高さがあったればこそだ。そしてこの3点目で岐阜の心が折れた。


 試合の趨勢を考えればこの3点で過不足はない。ただしリーグ戦において勝ち点差の次に重視されるのは得失点差であり、その次に重んじられているのはゴールの数だ。苦しんで奪った1点も、勢いで奪った1点も等しく1点、それならばこの局面で手をこまねく事は無い。柿谷の見事な突破から古橋の今日2点目となるゴールが生まれ、尾亦の突進がPKを呼んだ。ジェルマーノが件のモーションでPKを決めて0-5。これで随分と貯金が出来た。


 さて、最後に書くべきは岐阜サポーターだ。岐阜もさすがにチームとしての体は瓦解していたが、1点でもかえそう、1ゴールでもあげようという意識は無くなっていなかった。その力になっていたのは紛れも無くサポーターの声だ。0-5になっても声を枯らして応援を続けたサポーターがいたからこそ、ガムシャラに攻撃し続けていたのだ。長良川では今年あと一度対戦が残っているが、彼等の存在がある限り、容易く勝利が出来るとは思わないほうがいいだろう。


 上位陣で取りこぼしをしたのが仙台のみという中、最良の結果を残せたことを、まず喜びたい。ただしそれも今夜限り、J2は長く、道はその半ばだ。
posted by 西中島南方 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドゥンビアが出ても嬉しかった件。

 香川が出るかもしれんということで、久しぶりに代表戦をセッセと観ておりましたよ。久しぶりなんで少し客観的に観ることが出来たんですが、代表戦を盛り上げよう(=視聴率とろう)というテレビの涙ぐましい努力がそこかしこに見られて別の意味で面白かったなと。

 それでも香川が出てくると嬉しいもので、しかも岡田監督が示唆していたサイドバックではなく、キチンと前目で出られたということで、それもまた良かった。ボールはあまり回ってきませんでしたが、一度嘉人にいいクロスを上げられた、デビュー戦はこんな感じでいいのではないでしょうか。あんまり呼ばれてこっちが大変になるのもあれだし、もう少しフィジカルができて、チームが上にあがってからで十分でしょ。


 あと、これは自分でもビックリしたんですが、ドゥンビアが出てきた時も、本当に素直に「おし!頑張れよ!」という気持ちになった。ゴリや江添が手を焼いたスピードを見せ付けたれと。J2でもすごいヤツはすごいぞというのを見て欲しかったのかな。だから終了間際のバー直撃も、もし決まっていたら多分喜んでましたよ。

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 J1はJ1で厳しいリーグです。ただJ2も牧歌的な下部リーグというわけではないんです。例えばウチなんか今年上がれなかったら香川と古橋、それからあと何人かは出ていってしまうかもしれない、財政的にも厳しいものになるでしょう、あと何年かは這いずり回る日々になることは間違いないです。そういう状態なんです。

 他にもそういうチームはゴロゴロあって、その全てが昇格できるわけではない。そういうギリギリのところで、胃を痛めるような思いをして、選手もカツカツのローテーションで踏ん張ってるリーグなわけです。そういうところから香川やドゥンビアが出てきてくれたのは、これは奇跡に近いもので、だから二人が出てきた時、素直に二人とも同じように喜べたのです。厳しい条件の中、よくぞ育ってくれたと。


 そういう意味ではJ2他クラブは全てライバルでありながら、また全てが同志であるわけです。福岡の話をすれば、やっぱり暗いし、どうにかならんのかと考えることもあるんです。広島を見れば、コノヤロウと思う反面、寿人があれだけ頑張っているんだからなかなか追いつけんわなとも思う。勿論、文章読んでいただければ判ることですが、J1に対するルサンチマンは多分にあります。ただここにいるおかげでいろんな事を勉強させてもらっているなと感じることも多々あります。昨日の二人を観ていて、改めてそれを痛感させられた次第です。
posted by 西中島南方 at 10:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Fri 23 May 2008

若いつもりが歳をとった。

 いつもはSBの新しく出来た身障者席横で試合を観ているのですが、福岡戦は久しぶりにゴール裏の屋根下で試合観戦となりました。大学の頃の同級生が観戦に来たというので話でもしようと移動したわけです。

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 その同級生というのは女性なのですが、大学時代は非常におっとりとしていて、とても幼い印象のある子でした。失礼ながら男運が悪く、どうにもそこは行かん方がいいだろうという方向にばかり向きが変わり、案の定行かん方がよかったろうという結果になる、という事を繰り返して、クラスメート一同の脱力を誘っておりました。

 ただ彼氏がおらんという時期が無い子だったので、同級生の中で一番早く身が固まるのは彼女であろうと思っていました。実際は私だったのですが。

 三十路もとうに超えた彼女は今も独身で、しかし彼氏はしっかりとおり、しかも男運が無いのは相変わらずという、10年前と変わらない彼女でありました。ただお互い10年の時間が過ぎていたわけで、その間に何も無いなんてことは無く、大変だったわけです。

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 考えてみると何気に座ったこの席も、貧乏学生、貧乏社会人だった昔によく座っていた場所(貧乏なのは今も変わりませんが)時間というのはいつも待ったなしで進んでいくのだなと感じずにはいられませんでした。


 人間もスタジアムも等しくいつかは無くなり朽ち果てる存在、その間に得をしただの損をしただのというのは少々みみっちい話なのかもしれませんが、それが人の業なのかなと思ったりもします。10年後には私はどこにいて何をしているのでしょうね。出来れば長居とセレッソとともにありたいと願います。
posted by 西中島南方 at 11:14 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Thu 22 May 2008

J2第15節 C大阪2VS1福岡 自在。

前半14分 ジェルマーノ(C大阪)
前半19分 柳楽 智和(福岡)
後半31分 オウンゴ−ル(C大阪)

 湘南戦にあわせてテンションを上げていたのは誰が見ても明らかで、今日の一戦はどれだけそのテンションを維持できるかと注視していたが、やはり調子は下降線、チームとしてのポテンシャルが大幅に下がっていた。また福岡がセレッソ対策を講じていた為に試合は混戦模様を呈していた。それを勝利に導いたのは、春から取り組んでいたシステムの併用策と、怪我から復帰した古橋の個の力だった。


 スタメンは不動のメンバー。アンカーの位置に羽田が復帰し、トリプルボランチの並びが元に戻った。

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 ただしこの試合に関してはこのシステムが通用しなかった。香川、小松という中心線には必ずマンマーク、時には二人以上のブロックが入った。特に小松はこの徹底マークに苦しんでいた。

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 その点でいくと香川はマークを従えるのも慣れたものという雰囲気。ドリブルでスペースを突き相手DFを混乱させる。一瞬の隙を突いてボックスまで進入すると相手はたまらずファウル、PKを獲得した。これをジェルマーノがぎこちないモーションながらもキッチリと決め、幸先の良い出足と期待させた。

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 しかし勝負事はそう簡単に行くものではない。1点ビハインドを負っても福岡の出足は早く、セレッソのパス回しの制度の悪さも手伝って危ない位置でのボールロストやケアレスなプレーを生み出していった。失点自体はセットプレーからの混戦を決められた形だが、そこに至るプロセスはこうした小さなミスやそれを誘発させた福岡の意地が作り出したものだ。かつて知ったる布部、久藤らもセレッソ封じに東奔西走していた。特に久藤には一度いい形でサイドをえぐられている。

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 スコア上はタイであるものの、流れは福岡が握ったまま前半が終わった。後半レヴィークルピがどのような修正策を練ってくるのかと思っていたが、選択はより攻撃的にプレーし、相手をゴール前まで押し込む強気の作戦。守備で機能していた羽田を外し、古橋をトップに据えた。4-3-2-1から4-2-2-2へシフト。

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 ベースとなるシステムは一つで、他のシステムはあくまでオプションというチームは多いが、セレッソは3トップでも2トップでも同じクオリティでプレーが出来る。そして古橋は個として捉えても危険な選手。この二つの要因がプレーエリアを徐々に福岡ゴール前に押し上げていった。後半早々流れの中から古橋が飛び出し好機を演出。

 また古橋が入ったことでセットプレーに俄然迫力が増した。江添には得点となったシーンの前にもドンピシャというボールが来ている。香川も良いキッカーだがキレ、スピード、正確性はまだ古橋に一日の長があるようだ。

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 そう、得点シーンだ。江添の幻のJ初ゴール。あのシーンだけ見れば単なるキーパーのファンブルだったが、それ以前にもセットプレーからさんざっぱらチャンスが生まれていたのだ。前半から飛ばしていた福岡の頭と足が止まり始めた後半半ば頃から、それはより得点の匂いのするものになっていた。あの得点は偶然に見える必然なのだ。


 こうしてセレッソは再びアドバンテージを得られた。そこにきて福岡のハーフナー・マイク投入。細かく繋いでサイドを丹念に突くクリエイティブな攻撃を放棄し、ロングボールを長身の大久保、ハーフナーに当てるだけのシンプルな攻めに切り替えてしまった。正直に言うならばこの選択はセレッソを随分と楽にさせるものだった。長いタテのボールに対処し、スペースがたっぷり生まれているボランチのラインに競り落とせばいいのだから。


 かくて、勝負あり。セレッソは第1クール最終戦を何とか勝利で飾り、自動昇格権である2位で終えることが出来た。4-3-2-1が機能し始め、小松が絶好調になった後半6試合のスパートが効いた格好だが、勿論楽観視は出来ない。これからは香川が代表で抜けるというシーンが生まれてくる(それは夢のような栄誉なのだけれど)香川という絶対の存在が抜けた時、チーム力をどこまで維持できるか、それが今後のカギとなる。

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posted by 西中島南方 at 02:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Mon 19 May 2008

FM NAGAIは最高にイイけれど内容が酷すぎる。

 他のセレサポブログさんとこでも好評なFM NAGAI今日はこのFM NAGAIのお話を軸に湘南戦の後日談おば…。

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 湘南戦でも事業部長(というか事実上実務のトップなのか?)の宮本さんと藤田社長にお出迎えして頂いていました。お二人とも立場上なかなか時間が割けないはずなんですが、頑張って頂いています。サポーターも粋に感じなくてはね。


 で、バック北を登りきるといきなりauのブースがありました。やっぱりこういうところはブース作りなれているし、イベントの雰囲気作りが上手いですよね。見習いたいよ。

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 スタンドにも変化。等間隔に怪しげなアンテナが…。

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 これがFM NAGAIのキーとなる「増幅器」のようです。

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 ミニFMの場合、あまり強い電波は出せないんですね。というか、そういう放送をミニFMと定義しているわけですから、当たり前と言えば当たり前の話。そのミニFMでスタジアムのような馬鹿でかい場所の全てをカバーするにはこういう拠点が必要になってくるというわけです。ただこの増幅器(と、思わしきもの)はゴール裏中央以外の下段通路しか設置されていなかったようなのでスタンドの上のほうの方やゴール裏では多少聞き取りにくかったかも「この場所では聞きづらかったよ」なんて報告をOFFICIALにするといいかもよ。

 そしてこの日のDJはもちろんこの人。

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 はい、西川大介くんでございます。サポーターズボイスを収録しているところにお邪魔してみました。本当に邪魔だったよわたしゃ、ははは。

 西川くんには今後のFM NAGAIの方向性を聞いてみましたが、いや、これはかなり面白くなりそうですよ。とりあえずこころざしある皆様は腹式呼吸をしておきましょう。


 そして、いよいよFM NAGAI開局となったのですが…。これはいい意味で酷すぎる。大阪サッカークラブ的にはアリなのでしょうかこれは?選手(といってもかなり個性派だけど)の目線からのトークというのは面白い、面白いけれどモリシもデカシも放送コードスレスレどころかぶち抜きのトークをやらかしていて聞いててハラハラ、目の前の試合でまたハラハラという90分間でした。よく服部美貴さんの目の前であんなトークが出来るもんだ。すごいぞ強心臓。

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 出足からすごい放送になっちゃったFM NAGAIですが、また聞きたいか、それとももういいかと聞かれれば、当然前者なわけでして、次回に期待という感じです。この路線が続けばかなりいいぞ、頑張れ!!
posted by 西中島南方 at 02:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | セレッソ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sun 18 May 2008

J2第14節 C大阪2VS0湘南 頑張った!

前半11分 ジェルマーノ(C大阪)
後半44分 小松 塁(C大阪)


 今日は内容よりも結果が求められていた。そして選手達はこの要求に最高の結果で応えてくれた。ただ感謝、ありがとうという言葉しかない。

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 スターティングメンバーに変更は無かったが、システムは今までと違っていた。羽田がいつもの位置を離れ、湘南攻撃のカナメであるアジエルにマンマークにつく。アジエルが右サイドでプレーするので羽田は自然と左サイドでプレーする機会が多かった。

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 羽田に関しては本当によくやったと思う。アジエルに対してスペースと時間を与えなかった。そしていつものシステムから羽田を欠いてなお機能した守備陣もまた賞賛されるべきだ。

 そしてこれは嬉しい誤算なのだけれども、センターに入ったジェルマーノが実に効いていた。両サイドにボールを振り分けたり、単独で攻め上がったり。本職は左ボランチであるけれども、羽田が欠けた時はセンターに入るという選択肢が出来た。

 先制点はそのジェルマーノのひらめきから生まれた。羽田から相手ボランチとディフェンスラインの間のスペースにボールを入れるとそれにジェルマーノが反応、キーパーの位置を確認するとゴール前30メートル程の位置からループシュート。これが決まって幸先の良い出だしとなった。

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 ただしそれで湘南が動じた様子は全く無かった。守備は綺麗に整っていて前線からのチェックが早い。FWまで非常に守備意識が高く、セレッソは前田、江添のラインまでチェイシングで押し込まれるというシーンが目立った。攻撃においては速攻をメインにしながらパスワークも華麗、前4枚の驚異的な速さと連携に手を焼かされた。この試合前まで2位の位置にいたのは伊達ではない。この湘南相手に前半1-0で凌げたのは大きかった。

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 この時点で私には不安があった。システムが4-3-2-1に変わってから後半になると運動量が落ち、2列目とボランチの間にスペースが生まれてしまうのだ。もしこのスペースを生かされれば不味いことになる。

 はたして、不安は的中することになる。セレッソはまるでそれが予定調和のように、いつもどおりに前線と最終ラインが間延びし始めた。湘南はこのスペースを見逃さず有効に使っていた。左サイド尾亦の裏のスペースもよく狙われていた。セレッソにとってはひたすら耐える時間帯が続いた。
 
 それでも失点しなかったのは自らのサッカーに対する自信とリードがあることによる精神的な優位性からと読む。足が止まり始めてもゾーンにはしっかり人数をかけ、アジエルは羽田がピッタリとマーク、攻撃は小松、香川、柿谷のコンビネーションに託す。いささか不恰好ではあるけれど、このスタイルがこの時点でのベストだった。今日の試合レヴィークルピが戦術的を一切使わなかったのがそれを裏付けている。湘南臼井の決定的なシュートがバーを叩いたのも守備ブロックがキチンと出来ていたからと信じよう。


 こうして相手攻撃を耐え、我慢し続けると、さすがの湘南にも疲労の色。僅かながらスペースも生まれだし、柿谷、香川が自由に動けるようになった。試合はカウンターの打ち合いという流れに。

 この終盤の我慢合戦はロスタイムまで続いたが、これに勝ったのはセレッソだった。相手ディフェンスの一瞬の隙を突いて小松が飛び出し、キーパーまで落ち着いていなし2点目、試合の趨勢は決まった。時間稼ぎに藤本を投入する強かさも見せ、見事2-0の勝利。

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 繰り返すが今日の試合は今出来るベストゲームだった。各々が各々で役割を果たした。次節の課題はこのテンションをいかに持続させるかだ。
posted by 西中島南方 at 01:48 | Comment(1) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Mon 12 May 2008

職人の妻は職人。

 いろいろありまして、自由な時間が少しずつ増えています。でも何もしないというのはどうかなと思い、修行半分でかなりしっかりしたホームページを作っています。今までテーブルレイアウトばっかりだったのでCSSで組んでいます。ブログでCSSの事はかなり飲み込めていたので一度判ると便利ですね。それでも要素が脱落したりはしょっちゅうなんですが(汗 徹夜も久しぶりにしましたが、あんまりするものではないですね、生活時間がバラバラになっています。明日会社大丈夫かねぇ…。


 さてさて、最近チェックしているのが尾亦選手と奥さんが書かれている「おま家通信更新のスピードが攻撃参加なみに早いのもすごいんですが、もっとすごいのは奥さんの料理のレパートリー、とにかくジャンルが幅広くて、バランスも素晴らしく、おしゃれ。こういう内助の功あってこそのおま復帰だったのかなとさえ思えますよ。

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 日々セレッソ名物があればと思案している私ですが「尾亦家のレシピ本」出してくれないかな。出れば絶対買いますよ。何せ家にはケンタロウのレシピ集があるくらいですから(ケンタロウの料理はカロリーが高めなのよ)是非是非。清水さんそこのところどうでしょうか?
posted by 西中島南方 at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Sat 10 May 2008

J2第13節 草津1VS3C大阪 がんばりました。

前半4分 小松 塁(C大阪)
後半34分 小松 塁(C大阪)
後半38分 ジェルマーノ(C大阪)

後半44分 山崎 渡(草津)


 中三日と中六日、両チームのコンデイションの差がよく出た試合だった。ベースとなるチーム力の差に疲労度が加味されれば、この結果は至極当然。主導権は常にセレッソにあり、いい試合が出来た。失点シーンさえなければ100点だったのだけれど、最後は草津の意地が集中力を切らしていたセレッソ守備陣を破った格好だ。


 先発には本当に待ち焦がれていた左サイドのスペシャリスト、尾亦が戻ってきた。またベンチには古橋が入り、ほぼベストメンバーで試合に臨んだ。

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 日本代表大熊コーチが視察に訪れる中、試合を動かしたのはお目当てであろう香川だった。開始早々のラッシュをいなすとハーフカウンターから左サイドを切り崩し、マークを外していた小松に決めてくださいと言わんばかりの好クロス。これを好調小松が丁寧にゴールして、この試合のペースを握った。

 これ以降、流れは常にセレッソにあった。要因は素早い出足と柿谷のプレースタイルの変化、それに尾亦の存在だ。

 柿谷と香川がスタメンということで、私には少し不安があった。香川と柿谷は常に近い位置でプレーしたがる傾向があり、チームバランスが崩れることがままあった。また柿谷自身あまりピッチを広く使わず個人技に頼るシーンがよく観られたので、攻撃の形が出来ないのではと考えたのだ。

 今日の柿谷は個人技を多用するスタイルこそ相変わらずだったが、攻撃時のポジションなど、流れを閉塞させないように工夫する場面が目立った。ボールキープの技術は香川とともにトップクラスのものを持っているだけに、この"進化"は大きい。

 そして何と言っても尾亦だ。これぞサイドバックというプレーはうなるものがあった。攻撃的にサイドを駆け上がることで相手に脅威を与え続けていたし、守備にあっては帰陣も早く、サイド攻撃を意識した3トップをほぼ封じていた。強いて言えば高田に合えばというアーリークロスが前半にあった程度。スタミナはどうかと思っていたが、無難に動けていた。

 これだけチームが上手く回っていながら、前半は0-1のまま変わらなかった。ただそれだけが悔やまれる。


 後半もシュートシーン、惜しいチャンスが続いていたが、決めきれないシーンが目立った。スタッツを見てもシュート数は17、支配率を考えると物足りない数字だ。


 ゲームを楽にしたのはキャプテン前田の意外なオーバーラップと、最早エースと言ってもいい小松の決定力だった。この試合でも時間を経るにつれ、前線とディフェンスラインの間にスペースが出来、チームがだれるようになったのだが、前田が流れに任せて上手くボックスに進入し、小松の今日2点目のゴールを演出した。長い距離を走るのは辛いが、はまれば素晴らしい結果が待っている。小松は3点目、ジェルマーノのヘデイングシュートを呼んだクロスも供給、3得点全てに絡んだ。


 試合終了間際には古橋を試運転する余裕も。

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 しかし慢心が過ぎたのかロスタイムには余計な失点を献上してしまった。本当に余計な失点だったが、これは次節以降の課題としたい。毎年勝ち点差1、得失点差1に泣いているチームなのだから、1点の重みは重々承知している筈なのだけれど…。


 明日の試合結果がどうなるかによってまた変化するのだが、今日の時点で再び自動昇格権の2位に順位を上げた。この良い流れを切らす事無く第1クールを乗り切り、万全の状態で次のクールへと進みたい。
posted by 西中島南方 at 17:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする