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Fri 04 May 2007

第一クールのまとめ。

 昨日の徳島戦で第一クールは終了。セレッソは4勝5敗3分の8位。開幕直後の絶望的な状態からは完全に脱したが、トップとの勝ち点差9は重いハンデといっていいだろう。今日はこの第一クールでのセレッソを振り返りたい。今はドガッチなんて便利なサイトがあるので、得失点のシーンを簡単にチェックできる。

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 この12試合、セレッソは4つのパターンを試している。まず開幕時のメンバー。

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 今見ても、ちっとも得点の匂いがしない並び。第一節、第二節はこのメンバーで臨み、二連敗。得点がセットプレーの1点だけで、失点4。流れからはチャンスの数さえ希少だった。縦ポンと言われる長いパス一辺倒ではそれもやむなしか。


 そこで守備から入る都並監督は、ボランチを一枚増やして守りを固め、トップに縦パスをキープ出来る森島康を置くシステムを導入する。いわゆる「クリスマスツリー」

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 中盤が厚くなったこと、前線に高さという要素が出来たことで、それまでより多少サッカーらしい試合が出来るようになり、京都戦ではようやく初勝利にありついている。

 ただこの布陣では、ロングパスのターゲットである森島康が、必ず相手に競り勝たなければ攻撃の形が作れず、守備陣がズルズルと引きこもってしまうという難点があった。このシステムで臨んだ第三節から第五節までの得点は3、ただし2得点はコーナーとゼ・カルロスのフリーキックで、流れからの1得点もこのシステムを崩してから生まれている(いずれも京都戦)また守備も安定せず、失点のペースも変わらなかった。

 結局クリスマスツリーも1勝2敗、得点3失点5と劇的な効果は無し、新たな形を模索することになる。


 転機になったのは第六節の鳥栖戦。酒本が右サイドに入ってから。

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 左にゼ・カルロス、右に酒本と、縦への突破が出来るタレントが入り、中央の森島康へのプレッシャーが軽減された。またボランチに濱田が入った事で、底からゲームを組み立てられるようになった。

 このメンバーが中心になった第六節から第九節までは、2勝1敗1分であるものの、得点6失点2と、今期初めて、得失点がプラスに転じている。完封試合も3試合あり、守備も安定し始めた。唯一の黒星となった山形戦では森島康がコンディションを崩し、スタメンを外れている。これを考えれば、この布陣が今のところセレッソのベストなのではないだろうか。


 ところが好事魔多し、水戸戦後に森島康が抜け、福岡戦中にゼ・カルロスが負傷するというアクシデントが発生、チームは編成を根底から作り直す必要に迫られる。

 ここでセレッソを崩壊の危機から救ったのは、十代の選手達、柿谷、中山、香川だった。

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 福岡戦ではゼ・カルロスが負傷後、中山が左サイドに入り、柿谷、中山のホットラインが生まれる。この二人の流れから、中山が一時は勝ち越し点となるプロ初ゴールを上げた。

 続く第十一節草津戦では、柿谷がJ2最年少記録となるプロ初ゴールで、チームを勝利に導く活躍を見せ、香川は途中出場ながら、守備、攻撃両面でアクセントとなる働きをしている。

 但しこのメンバーでは前線に高さが無いため、ロングボール、ハイボールに苦戦する場面が目立つ。第九節までで7点あったセットプレーからの得点が、第十節以降はたった1点しか上げられていないのもこの影響か。ゼ・カルロスという絶対的なキッカーがいない点を加味しても、少し気になる数字だ。攻撃が四苦八苦すると守備にも悪影響を及ぼすのか、3試合で4得点3失点と低調になっている。また若い選手はまだ連戦に慣れておらず、悪い意味での若さが出たり、ペース配分が出来なかったり、改善点は多い。


 こうして見ると、当座はゼ・カルロス、森島康、そして精神的支柱である森島寛の復帰までに、どれだけ我慢が出来るのかが課題といっていいかもしれない。

 そこまで頑張れれば、まだチャンスはあるが、このままズルズルと下がっていくようでは、シーズン途中で早々にギブアップということになるだろう。若手の経験値を上げる為に一年を犠牲にしてもいいと腹をくくれればいいが、昨季あれだけ選手が放出され、今年も興行的に苦しいことが傍目でもはっきりと判る現状では、迂闊なことは言えない。


 最後に、少し意地悪な数字を。この12試合を見ていて、キーになっているプレイヤーが二人いる事に気がついた。苔口と酒本だ。

 まず苔口。先発した試合は6試合(仙台、湘南、東京V、京都、札幌、山形)あるが、この6試合は1勝5敗、得点5失点11と惨憺たる数字になっている。逆に先発していない6試合では3勝3分と負けなしで、得点9、失点3と安定している。

 そして酒本。先発起用は7試合(鳥栖、愛媛、山形、水戸、福岡、草津、徳島)3勝1敗3分、得点10失点5。先発を外れた5試合では1勝4敗、得点4、失点8。

 勿論これだけの材料で、苔口が劣っているとか、酒本が優れているとか断言するつもりはない。苔口が出場していたシーズン序盤は、チームが体を成していなかったという側面もある。ただ少なくとも、苔口がチームで生き残り、活躍する為には、相当な頑張りが必要だろう。


 これ以外にも様々なデータが、都並監督の下に届いていると思う。これを整理し、第二クールを乗り越え、反撃の転機としてほしい。次節鳥栖戦はもう明後日に迫っている。
posted by 西中島南方 at 12:57 | Comment(1) | TrackBack(0) | セレッソ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

C大阪1VS1徳島 お疲れの子供達。

 一つ、気に入らない事がある。疲れていない人間を交代させておいて、疲れきっている人間をフル出場させたのは何故か。ボールはしっかりキープ出来ていたけれど、緩慢な人間と疲労困憊の人間がいては、今のセレッソの売りである前からの守備、果敢な攻撃など出来ない。

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 スタメンは草津戦と同じ布陣。ベンチから苔口が抜け、代わって金が初スタベン。出場停止明けの江添はベンチにも入らず、センターバックは引き続き前田、阪田の強面コンビが勤める事となった。


 立ち上がりから主導権はセレッソにあった。柿谷、中山の十代コンビは明らかに疲弊していたが、コンビプレーは年季が入っているだけあって、相変わらず素晴らしい。右の酒本もいい動きをしていただけに、センターに高さが無いのが寂しい。いいクロスが上がっても、藤本の驚異的な上がりからのヘデイングは枠外、古橋のヘッドはバー直撃。これが例えば森島康だったら…。

 対して、守備は少し不安定な印象。前田、阪田の役割分担がはっきりしていないのと、相手トップの羽地とのマッチアップで後手を踏み続けたのが原因か(特に阪田は空中戦で苦労していた)羽地には一度突破されかけてあわやという場面を作られている。左サイドの羽田、右サイドの藤本、ダブルボランチの宮本、濱田は及第点の動きが出来ていただけに、そこだけが目立っていた。


 最近お約束になったハーフタイムでの交代、今日は藤本から丹羽だった。

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 正直この交代に何の意味があったか判らない。藤本のプレーに過不足があったようには見えないし、丹羽になってから劇的に何かが良くなったようにも感じなかったし。むしろ酒本が単独で何とかしなければいけないシーンが増えた分、攻撃の厚みが薄らいだだけだったのだけれど。


 それでも先制点を奪えるのが、好調なしるしなんだろうか。後半開始早々、中山が左サイドを華麗にえぐると、グラウンダーのクロスに古橋が詰める。

 ホームで、後半いい時間で先制、流れは完全にセレッソだった。ただ守備の部分はまだ不安定で、このアキレス腱を、徳島に突かれてしまう。自陣ゴール前で前田がファールをしてしまい、フリーキックのチャンスを与えると、混戦の中押し込まれてしまう。あっという間の同点劇だった。


 同点後は、守備を固める徳島に、セレッソの攻撃陣が、手を変え品を変えして挑む、という図式が続く。後半60分過ぎから試合終了までの支配率は、今期のセレッソの中でも飛びぬけていた。中盤でのショートパスをベースに、相手のバランスを崩す様々な工夫を凝らす。

 例えば香川の投入。

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 引いて守る徳島に、タテへの動きが魅力の中山はミスマッチだし、中に絞っていって仕掛けが出来る香川の方が選択肢が多くなる。中山自身も疲弊していたし、いいアイディア。実際バイタルエリアで古橋や柿谷と連携するシーンもあった。シュートで終われなかったのが悔やまれる。


 地上戦では密集を抜けられないと見ると、終盤では金を投入。高さという要素をプラスする。

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 今期初登場となった金だが、プレーする時間も短く、まわりとの連携(特に一番近くにいる柿谷とのそれ)はイマイチ。スピードは無いものの、高さやふところの深さという、今のセレッソに欲しいエッセンスを持っている貴重な存在なので、頑張ってほしいところだが…。


 もう一つ、心配だったのは、過密日程の三試合、全てにフル出場した柿谷のコンディション。

 今日の柿谷も、平均以上のプレーではあったけれど、疲労が蓄積されているのか、ところどころでらしくないミスをしていた。その上皆がボールを集めるものだから、柿谷にすればキツイ後半戦だったのでは。濱田が下がった後は、常に複数の相手に囲まれてのプレーを強いられていた。


 結局このままタイムアップ、星を五分にする事無く、第一クールを終えた。西村GMが課したノルマ、勝ち点25に遠く及ばない勝ち点15。チームが日々良化しているとはいえ、これは厳しい。第二クール、反撃に出る為には、今いる選手達の頑張りは勿論、フロントにも腐心してもらう必要があるのではなかろうか。


追記

 審判もJ2仕様なのか、ジャッジがかなりいい加減な印象だった。線審が必死にオフサイドをアピールしているのに、主審がずっと流していたシーンがあった。線審が必死に自己主張していたのが少し可笑しかった。

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旗をバタバタ振って主審にアピールする線審



追記2

 同点に追いつかれたセットプレー。セレッソの場合だと壁の前に選手が「ホスト立ち」するのだが、徳島は数人の選手が壁の前でヤンキー座りをしていた。ホストプレーとヤンキープレー、どちらがこぼれ球に反応しやすいのだろうか。
posted by 西中島南方 at 01:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | 観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする