でも、もう身も心もガックリ来ている私は、どうにもネガティブな感情しか持てない。
私は小林さんが好きだった。別に何を話したわけでもないけれど、外様に冷たいヤンマー閥の中で、あれだけ頑張ってくれた事に、今でも感謝している。「桜は今から必ず咲きます」という最後の言葉は、監督の座を辞してなお、セレッソを愛してくれた証拠と信じている。
かと言って塚田さんを心底憎んでいるわけでもない。試合になるとテンパる悪癖はついぞ治らなかったものの、こと育成に関しては素晴らしい手腕を持っていた。そういう人とこんな形で縁が切れてしまったのは、よくない事だ。火中の栗を拾わせておいて、石持て追うような形になったのは寂しい。
セレッソにとって一番の痛手は、J2に落ちて緊縮財政をしかざるを得ない状況になった事でも、まして関係する人達のプライドが傷ついた事でもなく、不釣合いな場所に引き出したり、満足な援護もしないまま、二人の能力有る指導者を迷走のスケープゴートに仕立て上げ、パイプまで切ってしまった事だと思っている。
どんなに素晴らしい種でも、土が腐っていれば芽が出ることは無い。どんなに努力を惜しまぬ者でも、砂地の上に米を作る事は出来ない。来年は環境まで厳しくなる。日向から日陰へ、風も強く、冷たいだろう。そんな中でも実りを求めるのであれば、私達は新しい開拓者の為に、少しでもいい土を用意しなければいけない。
今日この日まで、セレッソという土地は、まだ力があると思っていた。表層さえ削げば、まだまだやれると思っていた。しかしこのページを見てその考えが心底甘いものだと思い知らされた。この土地は深く深く掘り下げないとダメだ。
次の仕事はキツイ。8000人に紙を配るよりずっとキツイ。でもやらなきゃいけない。実りを望む気持ちを、行動で表そう。