ニッカンスポーツ
キムチ鍋?横浜ピンチ、5人急性胃腸炎
今日16日のA3杯深■戦に挑む横浜が急性胃腸炎の猛威に襲われた。FW清水、DF天野とスタッフの計3人が15日、40度近い発熱、下痢、おう吐などの症状を訴えダウンした。14日にはMF奥、DF田中裕、GK飯倉が同様の症状で離脱し、急性胃腸炎と診断された。(中略)
原因は不明だが、スタッフは食事面での可能性を指摘した。13日浦項戦後の夜の食事はキムチ鍋。辛さも抑えめにリクエストしたが池田フィジカルコーチは「肉体的に疲れている時は内臓も疲れている。刺激が強すぎたかも」と言った。
私もよくコリアタウンまで出かけて買ってきたキムチを食べているんですが、食中毒にかかるなんて事は本当にあるんでしょうか。私は全然平気なんですが。
<うまそう…>
調べてみると、ご存知の通りキムチは発酵食品なので、殺菌効果こそあれ、害の有る細菌などが発生する可能性は他の食品と比べてもかなり低い事がわかりました。(詳しくはこっちのページ)発酵させない「和風キムチ」にはその可能性が有りますが、今回Fマリの選手が食べたのは韓国産のしっかり発酵させたもの。ウイルスや雑菌の可能性は低いと思います。
ただ、回虫が混入している、いわゆる「虫がわいている」状態のキムチも有るようです。キムチを漬け込む際に使われる「ヤンニョム」(あの赤いタレみたいなのですね)の中にはオキアミという小エビの塩辛が入っています。海の生き物ですから海中の微生物を体内に取り込んでいる可能性が有ります。また、白菜自体に虫がいて、生き残っている場合も考えられます。実際に発酵させた韓国産キムチから回虫卵が検出された事が有るようです。(詳しくはこちら、ちょっと読みにくいですが、最初の方に載っています)
<俺達がオキアミだフハハハハ。>
しかしこれとて生で食べた場合しか影響はありません。鍋や炒め物のようにしっかり火を通したものなら、食中毒にはならないはず(虫を食べてるかもと思うといい気はしませんが、他の食物と同じ程度の危険性ですから、まず大丈夫です)
しかるに、今回Fマリを襲った食中毒騒ぎの犯人はキムチではなく、他の食材に有ったのでは、と推測します。
今の時期は海産物が美味しい季節ですが、その中には「精の強い」食材も数多く有ります。よくキムチ鍋に使われるハマグリや牡蠣といった貝類は典型です。食材を雑に扱えば食中毒の危険性も有ります。
また辛い鍋を食べて、つい生水を飲んでしまったり、ドリンクに入っている生水から作った氷から生水を摂取した可能性が有ります。日本は他の国と違い、軟水(ミネラル分の低い水)が湧き出る国です。韓国は硬水(ミネラル分の多い水)が湧く国なので、日本人が飲みすぎると腹を下したりします。もし同じ場所で食事をした地元の人の体に何も変化が無いのなら、水が原因という線が濃いでしょう。
代表などは遠征の際に食料や水を国内から運んで、それを日本人シェフに調理してもらうと聞いた事があるのですが、Fマリのスタッフがこうした配慮を欠いていた事はちょっと不注意だったのではないでしょうか。せめて飲料水はミネラルウォーターか煮沸した水にする事などを徹底させていれば、このような事態は防げたと思います。食事って普段考えているより、ずっと大切で難しい要素なんですよ。