つくづくのりやすいさんの記事を見ていて、腹を抱えて笑っていたわけですが、ふと昔の映画のことを思い出しました。みなさん「無問題(モウマンタイ)」という香港映画を覚えておられないでしょうか?
主人公(99の岡村隆史)が恋人を追って香港にやってくるのですが、知っている広東語は「無問題(大丈夫!)」だけ、それが仇になってさまざまな危ない目にあうというコメディ映画なのですが、なんとなくこの試合の嘉人と主人公がダブって見えてしまうんですよね。
一番印象に残ったのは、怪我をしたあとに
「大丈夫か?」って聞かれて、
『ビエン、ビエン(bien=”大丈夫”)って言ってた』
本人は「助けてくれー」という心境だったようですが、幸か不幸かそんな会話ができなかった。ぱっと出る(無意識に口に出せる)単語はbienしかなかった。そりゃ交代されないわな(笑 話すのが無理なら手でバツじるしでもすればいいのに…。
でもこの時もし嘉人がスペイン語が堪能であったら、少なくとも「無理だ」という意思表示ができていたら、あのアシストもゴールも生まれなかったわけで、『あの状態でゴールを決めるなんて信じられないよ』、『Yoshitoは強い精神力の持ち主だ』という高い評価も無かったんですよね。つくづく嘉人の運の強さを感じます。
逆についてなさ最大なのが同じリーガ、ヌマンシアのイ・チョンス。SOCCER UG BLOGによると、なんと33試合無得点中とのこと。
嘉人がリーガに移籍する際にNumberからコメントを求められると、「彼と僕とは無関係だから」と前置きしながら結構熱く語ってくれています。(以下はSEXYFOOTBALL@日本代表さんの記事を借用しております)
「とにかく・・・・・・一年目は本当に難しいんだよ。仲間から信頼を得て、パスを出してもらうこと、それ自体が難しいんだ。」
「何よりはまずスペイン語を話すこと。どんなに下手でもいいから、自分から他人 に交わろうとすることが絶対大事なんだ。もしパスが来なくても諦めず、自分からチームに溶け込む努力、仲間と交流しようとする事が必要だよ。」
誤解の無いように言うなら、イ・チョンスが1年間ノーゴールでも契約を続けていられるのは、こうした努力を積極的に行っている姿が評価されたからではと思っています。
きっと、ポテンシャルは高いものを持っている、後はコミュニケーションだ、というところなんでしょう。
ところがスペインにやって来て僅か3週間。「ヘイ!」と「オラ!」と「ビエン」しか(無意識には)出てこない嘉人がいきなり結果を出し、あまつさえチームメイトは「僕とYoshitoならいいコンビになれると思うよ」なんてコメントを出す始末。チョンス兄さんとすれば絶対面白いわけが無い。
<グッデイ2005年1月14日> チョン・グァンヨル記者
イ・チョンス、「大久保初ゴール?負けてはいられないよ」
「負けてはいられない」
イ・チョンス(李天秀/24・ヌマンシア)が、心に固く誓い決戦を準備している。17日深夜1時(韓国時間)に行われるデポルティボ・ラコルーニャとのスペイン1部リーグのアウェーゲームに出撃するイ・チョンスは、「デビューゴールをこれ以上ひき延ばすことはできない」と覚悟を決めた。
引き伸ばしてたのかよ!!(爆笑
一生懸命がんばってるのに結果が出ないチョンス兄さん。がんばってないとは言わないけれど、勢いで結果を出した嘉人。好対照の二人ですが、できれば二人ともがんばってほしいなと思ってるんですよ。だってこのままじゃチョンス兄さんかわいそう過ぎるもん。