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Wed 17 Nov 2004

日本代表1VS0シンガポール代表 嘉人の呪い?

 MLBには長らく「バンビーノの呪い」というものが有りました。ボストン・レッドソックスがベーブ・ルースをニューヨーク・ヤンキースにトレードして以来、80年以上ワールドシリーズで勝てなかった事を「呪い」ととらえ、ベーブ・ルースのニックネームを取って「バンビーノの呪い」というようになったのです。

 パスの供給も乏しく、ゴールかと思われたプレーをオフサイドと取られてしまった大久保にも「呪い」がかかっているのかも知れません。問題のシーンではテレビの前でオフサイドじゃないでしょう!と声を大にして叫んでいました。

 呪いは大久保だけに留まらず、松田、本山、小笠原にも伝染。再三の決定機もものに出来ませんでした。序盤に玉田があげた「左サイドギリギリからのシュート」がなければ、一体どうなっていたでしょう?修正点は山のようです。


まず先発メンバーは下記の通り

シンガポール戦スタート


 4バックは予想通りある程度機能していました。機をみてオーバーラップをかけ、空中戦を制していた松田と、無回転シュートで相手キーパーのファンブルを誘っていた三浦は今日合格点を与えられる数少ない選手でした。加持も、良くも悪くもいつもの加持でしたが、なれた4バックの為か凡プレーは少なかったように感じます。

 ただ宮本に関してだけは、キャプテンとしてゲームの悪い流れを修正できなかったという課題が残りました。


 チームはゲーム開始から15分程はパスワークとポジションチェンジ、両サイドバックのオーバーラップから良い形をいくつか作っていました。小笠原は空いたスペースにほぼ的確なパスを出し、前線もそれに反応。遠藤もガンバで発揮している力そのままを表現していました。

 ところが先制点後、チーム全体、特に中盤に変化が見えるようになります。まず藤田が、徐々にゲームから消えはじめました。

 ボランチの二人、特に中田も徐々に安定感を失い、前半終了頃には小笠原のプレーにも雑な部分が現れ始めます。

 小笠原のそれは深刻で、パスを受ける際にまわりを確認せず、簡単にボールを奪われたり、スペースに出る動きが無くなってボールが停滞してしまったりと、試合開始時とは別人のようになっていました。


 後半15分過ぎから観衆の声に押し出されるように大久保がピッチへ。藤田が下がり、本山が中盤左へ、MFは4人の内3人が鹿島勢になります。

シンガポール戦 大久保投入


 これで中盤が落ち着くかと思われたものの、事態はより深刻さを増していきます。小笠原のパス精度は落ちる一方、本山もトラップミスや連携ミスを多発するようになり、逆にシンガポールの速攻に手を焼くようになります。


 ジーコも業を煮やしたか、ここで玉田に変えて鈴木を投入。前にターゲットを作る事でボールを落ち着かせる狙いが有ったものと思います。

シンガポール戦 鈴木投入


 それでも積極的な攻撃はなりを潜め、雑なボールが日本とシンガポールの間で行きかうだけの凡戦に、スタジアムのフラストレーションは頂点に達します。

 コンダクターであったはずの小笠原のコンセントレーションは完全に切れ、その機能を完全に停止します。本山のアタックもその場任せ、まるで負けている時のセレッソのようでした。


 ジーコの最後のカードは通訳役を買って出ていた三都主。小笠原を下げて本山を右サイドに。

シンガポール戦 三都主投入


 三都主の加入と大久保のフォローで最後の5分は何とか体制を立て直したものの、ロスタイムにはあわや同点というピンチも。結局1-0のスコアを維持するのがやっとというフィニッシュでした。


 今回の凡戦の原因が、選手のモチベーションに有ったのか、それともシステムに起因するものなのか。今まで継続していた路線とはあまりにも違うフォーメーション、メンバーを採用した為に原因を明確にする事は出来ませんが。少なくともそれぞれの選手がそれぞれの役割を把握し、しっかりと貫徹していれば、1-0というスコアにはならなかったはずです。最終予選を前に、改めて個々人の「代表としての自覚」を問われるマッチとなりました。


posted by 西中島南方 at 22:40 | Comment(0) | TrackBack(7) | 代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シンガポール戦戦前予想

 国内の控え組で編成された今回の代表戦は、親善試合を除けばここ何年かで最も注目度の低い試合と言っていいでしょう。

 ただリザーブメンバーだからといって実力が決してレギュラーよりも数段劣るというわけではないでしょうし、ジーコが行おうとしている「実験」の結果がどうなるのか見てみたいところもあります。


 まず4-4-2を久しぶりに試す点。予想スタメンを見てみると、GKは土肥、最終ラインは右から加持-松田-宮本-三浦となっています、ボランチに遠藤と中田浩二、2列目に小笠原と三都主、2トップに玉田と本山となっています。

 この中で4バックを使用していないチームに所属している選手は三都主だけなので、まず混乱は無いはずですが、注目すべきは両サイドバック、加持と三浦でしょう。

 この二人は4バックでも3バックのウィングハーフでも適応できるユーティリティ性を買われて選ばれた選手、ここである程度の活躍を見せないと、今後召集は厳しいかも知れません。加持は悪運が強そうですが…。


 それから小笠原がコンダクターとしてどれだけ使えるのか、という点。やはり国内組のみの編成で一番ネックになるのがパスの出し手の問題。後に中田浩二、前に本山と鹿島組がいるだけに、かなりいいパフォーマンスをしなくてはいけないでしょう。

 長身FWが鈴木しかおらず、ラストパスにかかる比重が大きいのは苦しい所ですが、玉田、本山、大久保らは相手のスペースを突く事に長けた選手ですから、上手くいけばちゃんとジーコの期待に沿える活躍ができるはずです。


 そしてセレサポとして、当然大久保の得点を期待しています。初得点というのはやはり何か壁になっている様子ですが、これはジーコが大久保に与えた最後のチャンス、どんな形であってもいいですから、貪欲にゴールへと突き進んでほしいと思っています。

 幸いセレッソとは違い後はしっかりと守備をしてくれますし、いいパスが供給されるでしょうし、よほど一人相撲をしなければ孤立する事は無いでしょうから、落ち着いていればきっと出来るはずです。


 蛇足では有りますが、カズ、中山を出す事に疑問を投げかけたサポーターはこの試合をちゃんと観てくれるのでしょうか?新顔こそいませんが、控え組の久しぶりの出場ですから、しっかりとチェックして頂きたいです。


posted by 西中島南方 at 12:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする