しかし、磐田戦以前と比べると、今は比較的楽観的な自分がいます。磐田戦でようやっとセレッソらしさが垣間見えたからです。
セレッソは取ってナンボ、取られてナンボのチームです。ですが「取られてナンボ」を恐れるあまり得点まで減少してしまいした。一度萎縮した意識を元に戻すのはたいへん。結局今の今までかかってしまったのです。
磐田戦では西澤が機能していたのも有りますが、攻撃陣がしっかりとボールを保持していました。これは攻め手が無くバックパスを続けるボールの保持とは根本的に違います。トップが安定してボールを持っていれば、2列目、3列目が安心してオーバーラップできます。元来のセレッソサッカーです。
確かにカウンター一発で失点してしまうリスクも生まれますが、セレッソの選手たる者それを恐れてはいけません。もう一点取ればいいのです。
本当はこれは「邪道」です。相手を封じていれば最悪「負け」は無いのですから、守備主体であるほうが、安定した成績を残せるのは自明です。「1-0で勝つより3-4での敗北を選ぶ」などというロマンティックな言葉は、クライフのレベルまでたどり着いて、初めてロマンとなるのです。
セレッソはいつの間にか、この道に踏み入ってしまいました。後戻りするには、気がつくのがあまりに遅すぎました。
しかし、例え邪道といえど、道は道、突き詰めていけば、やがて頂が見えるはずです。かの「戦術くん」はスケッチブックの1ページにこう書きました。
「2+2=2、2×2=2」
どんな方法でもいいのです。たどり着く場所が同じであれば。
「J1残留」いささか小さな頂きではありますが、狼達がそこにたどり着く様を、しっかり見届けましょう。