「大久保が入ってから逆転された」
なんていう書き込みをよく目にするようになりました。実際大久保のプレースタイルは得点にからむ動き重視、ドリブル主体の為、1.5列目としてのプレッシングや攻撃の起点となる動きに乏しく、またチームプレーに参加する事もあまりありません。
では本当に「大久保は疫病神」なのでしょうか?結論から言うと「部分的にはYes」これを数字で解説しましょう。
まずセレッソの現在の成績は4勝16敗7分、得点37、失点61。最下位に甘んじています。この27試合中大久保が出場した試合は先発、途中出場合わせて19試合あります。出場していない8試合のうち4試合はオリンピック代表召集等によるもの、残りの4試合はカードによる出場停止です。
まず出場していない試合(8試合)の成績
試合 8
勝 1
負 5
分 2
勝ち点 5
得点 12
失点 19
一試合あたりの得点 1.50
一試合あたりの失点 2.37
勝ち点/試合数 0.62
次に出場した試合(19試合)
試合 19
勝 3
負 11
分 5
勝ち点 14
得点 24
失点 39
一試合あたりの得点 1.26
一試合あたりの失点 2.05
勝ち点/試合数 0.74
そして大久保が得点した試合(8試合)
試合 8
勝 2
負 4
分 2
勝ち点 8
得点 16(うち大久保13)
失点 20
一試合あたりの得点 2.00
一試合あたりの失点 2.50
勝ち点/試合数 1.00
最後に大久保が出場して無得点だった試合(11試合)
試合 11
勝 1
負 7
分 3
勝ち点 6
得点 10
失点 21
一試合あたりの得点 0.90
一試合あたりの失点 1.90
勝ち点/試合数 0.54
こうしてみるとチームの大久保に依存した状態がよく分かります。大久保が出場した試合では勝ち点/試合数が0.74なのに対し、出場しなかった試合は0.62に下がります。
そして興味深いのは、大久保が得点した試合のそれが1.00なのに対し、封じられた試合は0.54と4パターンのうち最も低い数値である事。つまり大久保が機能しているかどうかで、チームの好不調が分かれてしまうのです。
それ故、必然として大久保には厳しいマークがつくことになります。イエローカードは9枚、レッドカードが2枚、これは大久保の気質だけの問題ではありません(もちろん彼自身が真摯にしていれば避けられたカードも多々有りますが)
冒頭で「部分的にはYes」としたのは、大久保がチームにいる場合、セレッソの攻撃を無力化する方法が明白で、相手が組し易い為です。チームで一番スタミナと集中力の有る選手を大久保にベッタリと張り付かせていれば、かなりの確立で自滅するのです。
ですが大久保がいる試合、得点を上げた試合の方が、いない試合よりも勝ち点を取る確立が高いのも事実。ですから全くの「疫病神」というわけでは有りません。その為「部分的に」という表現を使いました。
以前レッズサポーターの妖星さんが述べられていた「大久保は諸刃の刃」という表現が実に的を射ている事が、数字にしてはっきりと証明される形となりました。しかしそれは大久保に依存しているチーム体質にも大きな問題があるという事でもあります。
残り3試合、入れ替え戦を視野に入れるなら5試合、この体質を改善するにはあまりにも時間が有りません。大久保の刃が敵にのみ向かう事を祈るばかりです。